02
「はあぁあぁぁ…やっとかよ諒ちーん」
「結構長かったっすねー」
「もういいの?」
「…はぁ……」
それぞれから一言頂いて。横向きに座って後ろのアホの頭をとりあえずぶっ叩いた。
「つーか瀬戸、シャーペンノックうっせえ!」
「ってぇな!誰のせいだ!」
「ひとのせいにすんなー」
「てめ…っ」
「瀬戸ってば仁科の背中睨んでシャーペンノックするから見てるこっちは面白かったっすけどねー」
「オイコラてめぇ見てんじゃねぇよ」
青筋浮かべた不良さんは、ヤリイカシャーペンを折るが如く握りしめて。
何気に気に入ってるよねヤリイカシャーペン。
「とりあえずはね、説明は後ほど」
「うん、たっぷりと聞きたいな」
「……はい」
伊織の黒い笑顔は副会長より恐いようだ。ぶっちゃけ黒さを競ったら副会長負けそうな気がするよ俺は。
四限の開始前に、二三週間ぶりの定位置に一安心。
こっちを睨んでるどっかの犯人さんたちは、瀬戸の鋭い眼光を前に奥歯を噛み締めつつ恐怖に耐えているようです。
ついでと言ってはなんですが、蒼司も彼(女)らを真顔でガン見してるんだが。
温厚な雰囲気のヤツが何の色もなく真顔で見てくるとさ、こう、凄まじい圧力を感じるよね。
横から見ててもこえーよお前。
「おーし、席つけ黙れー。…あ?なんだお前ら遊びは終わりか?」
だるっだるで入ってきたまっつんが、俺らを見るなりニヤニヤしながら言ってきた。
あらやだまっつんイイ笑顔ですね、なんてニヤリと笑うと、若いねぇ、なんて言われました。
机の事を知っているまっつんには、前以て知らん顔していただいてましたがね。
いやー、半ギレしてたまっつんは貴重だったよ。
やったヤツらの単位落としてやるとか職権濫用だよね。止めたけどね。
それがバレてまっつんが居なくなるのヤダー、なんて拗ねたら仕方ないなと溜め息を吐かれましたがね。
なんでそんな甘いのさまっつん。甘いけどキツいよセンセー。
「まあ、俺が手ぇ出すとどっかの誰かさんが泣いちゃうからなぁ」
あっやだヤメテそれ言わないで秘密にしてんだから!
ああもう四方からの視線が痛い!まっつんのバカ!
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