ぼっちタイム。‐01
───ひと騒動から二日過ぎた。
翌日の机は綺麗で、落書きも汚れも花瓶もないし椅子も上げられてなかった。
なんとなく一日じゃ分からなくて、翌日に持ち越したわけで。
今日も机は綺麗なまま。
蒼司は、昨日も今日も朝から教室にいて時々目が合うと苦笑いされた。罪悪感、みたいな。気にしなくていいのに。
蒼司が朝からいるということは、会長が引きずり込むのを止めたのか蒼司が拒絶してるかなんだけど。
ぼんやりしているのを見ると、拒絶ではないようで。
会長も考えて悩むべきだよなうんうん、なんて思いながら、窓の外を眺めている。
え?あぁ、今は現国の授業中ですが何か。だってつまんねー。静かー。前を見ても幼馴染みの背中だしさー。
なんか面白くてそのままなんだよね、孤立化。
でーもーさー。
カチカチカチカチカチカチ、と後ろからシャーペンをノックする音がひたすらしてるんだよね。
なに芯出ないの?入ってないんじゃねーの?とか最初は思ったよ?一限目とか。
でもさ、今三限目なんだよ。
ひったすらカチカチカチカチカチカチされたらこっちもなんか思うところがあるわけで。
うっせえ!耳障り!って突っ込みたい所なんだがね、後ろだけならいいよ?
なんかちょっと前から、前の席からカタカタカタカタ貧乏揺すりみたいな音がし出してさ。体が小刻みに揺れてるわけ。
なにどうしたトイレ?って心中突っ込んでみたんだよ。
で、チャイム鳴ってざわめきが大きくなってきた今ですが。
未だに前後からカチカチカチカチカチカチ、カタカタカタカタしてるわけ。
……あーもー。
‐バンッ!
先日の蒼司よろしく机を叩いたら、一気に教室が静まり返った。
おうおう、びっくりさしてごめんよ。
「はーい、ぼっちしゅーりょー」
ばんざーい、で両手をあげてー、近距離なんで普通の声で。
直後に前後の細かい音が止み、前の席の幼馴染みが体ごと振り返り机にダイブ。
クラスメイトの注目を浴びております。驚いて声も出せない数名を目に、思いっきり笑顔をお返ししてみた。
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