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05
 

 まあ確かに会長程の美形なら、いくら無口無表情だとしても年中無休のモテ期っぽいし。副会長も会計も、っつか生徒会みんな美形らしいし。
 ああやだやだ。俺場違いじゃん。


「蒼司、お前ここにいて違和感ないよな」
「え、なに急に」
「見た目的に」
「え?」


 イヤ、なに言ってんのコイツみたいな目で見るなよ溜め息吐くなよ。
 すると副会長がびっくりしたように目を見開いてまして。


「君もあまり違和感ないと思うよ?」


 とか言い出したので。


「いやありすぎでしょ俺なんか場違いですよ」


 と返したら。
 なんと副会長までも溜め息。
 いやいや何で。


「仁科君って、」
「すみません相模先輩、諒は自覚ないんで」
「だよね…」
「何の話ですかい」
「いや、君は気にしないでいいよ」
「蒼司ー?」
「そのままの諒が好きだよ」
「返事になってない」


 なにこの二人。アイコンタクトで溜め息吐かないでくれないか。惨めになるから。


「りょーちゃんも格好いいよぉ?」
「……ありがとうございます」


 そんなあなたはリスですか可愛いですね。もぎゅもぎゅしてますね癒し系ですかそうですか。蒼司が受け入れるのも頷ける。


 なんとなくほわほわしていたら、ガチャリと生徒会室の扉が開き一斉にそっちに目がいった。
 そこには屋上で会った、不可解行動の生徒会長が若干驚いたのか一瞬目を見開いて体を止めた。
 本当に一瞬だったけど。
 瞬きひとつすれば、無表情に無表情の会長サマが一番奥のデスクに向かっていて。



「…葵、珈琲」
「はいはい」


 部下と上司か。
 いや社長と秘書のが合ってるな。なんて突っ込みを押し込んで、会長を見る。


「待たせたか。悪いな」


 ギシリと椅子に腰かけた会長が放ったのは、意外にも謝罪だった。
 あれ、なんか見た目とのギャップが凄まじい方ですねびっくりー。

 会長は背凭れに体を預けていて、見た目だけはもう俺様一直線だ。人間って不思議。





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