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02
 

 それからまた並んで俺が孤立化してる経緯なんかを話ながら歩いて、四階の三棟に生徒会室はあった。
 つか三棟全部が生徒会室だった。
 なんだそりゃアホか。しかも二棟と三棟の仕切り廊下の中間辺りに扉があるとか何なの意味分からない。

 そんな俺を他所に、蒼司は扉の横にある厳つめのインターフォンに向かった。
 オイオイ、ここ学校ですよね?学校の生徒会室ですよね?どこですかここ。

 蒼司が一言二言喋ると、がちゃん、とロックが解除された音がして。


「行こう」
「……」


 なんの躊躇いもなく蒼司はその扉を開けていた。
 慣れか。慣れなのか。

 促されるまま扉を潜り、閉まった扉にロックがかかる音を聞いて浅く溜め息を吐いたのは仕方ないと思う。


「生徒会室ってこんなんなってんだ…」
「俺も最初、びっくりしたけど馬鹿じゃないのって思ったよ」
「……」


 然り気無く辛辣だな。

 そこから渡り廊下を進み、またデカイ扉の前に立ち止まる。
 もう一度言おう。ここはどこだ。

 ぽかーんっとしてたら、これまた厳つい扉の取っ手に手をかけたまま、蒼司が振り返った。
 その表情は何とも言えない。


「どうした?」
「いや、…あのさ、諒は生徒会のことどう思ってる?」


 なんだいきなり。
 生徒会のことって言われてもなあ。


「関わりないしあんま知らないけど、人伝には凄い人達だとか。…ああでも、会長はなんか恐いというか無表情過ぎるっつーか」


 屋上での一件を思い出しながら言うと、何故か蒼司が溜め息。どした。
 なんか、明後日の方向向いてますけど違うの?


「そっか…ああ、うん、そうだよね」
「……うん?」


 なんか一人納得してるけど。忘れてましたみたいなそれ、なんで?
 すると蒼司は俺と目を合わせて口を開く。


「えーっと、…驚かないでね」
「…は?」


 更に何のこっちゃ、という言葉に首をかしげるしかない。
 そうしているうちに蒼司は何かを決意したみたいな顔をして、扉に向き直り、それを押し開いた。
 引くんじゃなくて押すタイプだったのか。




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