中編
有りがちな秘密の恋バナ。【毒+蟻】
概要【楓と同じタイミングで森の宿に訪れた康之達に、晃が「飲もう!」と康之を連れて酒を調達している間の楓とトオル(会場は楓が使ってる部屋)】
注*会話文。
「───透司君は康之さんのどういう所が好き?」
「えっ、…温かくて優しくて大人でたまに子供っぽくなるのが可愛いし、たまにイタズラしてくるけどそれも嫌なやつじゃなくて、そのあと甘やかしてくるし、何かあったら真っ先にオレに話してくれて、オレが作った料理をいつも美味しいって全部食べてくれるし、至らない所はちゃんと教えてくれて、たまに怒られるけど怒鳴ったりはしないし、笑ってくれるし、休みの日には色んな所に連れていってくれて沢山写真撮るの!それでね───」
「沢山あるんだね(思ったよりスラスラ出てきたなー)」
「うん! 見た目も手も目も声も身体中好きで頭撫でて貰うのが凄く嬉しい。嫌って思う所は、酔っ払うと透司って呼びやがることかな」
「うん?」
「オレね、ダメなの。康之さんに透司って呼ばれると、こう…わーってなる」
「恥ずかしいとか?」
「分かんないけど、暴れたくなるというか叫びたくなるというか、トオルって呼ばれるのは好きなんだけどさー」
「ふふ、そっか、ずっとトオルだったからかな」
「うーん…かなー、ていうか楓君はあっきーのどういう所が好きなの?」
「えっ、と…沢山、ある」
「一番は?」
「俺を呼ぶ時の声、かな」
「かーわーいーい! 名前呼び苦手って言ってたのにオレや康之さんも呼んでていいの?」
「ん、この町じゃあ平塚なんて呼ばれないから寧ろ違和感あるし、それよりも二人になら呼ばれて嫌じゃないから」
「もー、はにかみ可愛い好き!」
「ふふ、俺も透司君好きだよ」
「……やっさん、なんか俺ら浮気現場にぶち当たった?なにあの可愛い会話」
「入るタイミング逃したらとんでもない事になるんだな」
「あーもー可愛い。楓を抱き締めるしかねぇよコレは。抱き締めて名前呼びたい」
「聞かれたのを知ったらどうなるやら」
「照れた楓が見られる…!」
「末期だな」
「お互い様じゃん?」
「否定はしない」
「とりあえず知らぬふりで入ろっか」
「そうだな(無理だと思うけど)」
盗み聞きはすぐバレた。
END
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