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中編
07
 


 その事実を知った瞬間に鳩尾から何かが迫り上がってくる感覚を抱いた。

 亮平さんは「夢中になるとやばい」と笑いながら俺の肩に額をつけて深呼吸している。
 止めなくていいのに、と心底思いながら呼び掛け素直に顔を上げた亮平さんの唇に再びキスを、初めて俺から仕掛けた。


「っ、!」
「……やだ」
「みさ、」
「…もっと触って、亮平さん」


 確かに頭は冷静じゃない。でも自分の発言は自覚出来るし、意味も分かっていた。だけど止められなかったのはただ単純に興奮したからじゃなくて、触れる事を亮平さんに求めているんだ。
 分かってる。たぶんもうずっと前から、はっきりしてたんだ。

 目の前で見開かれた瞳を認識した時には、唇を食らうように塞がれていた。
 さっきの緩やかなそれではないキスの激しさに呼吸が儘ならない程だったけれど、それでも硬さを増した塊の熱を感じるとそんな事はどうでもよくなった。

 腰を撫でる手の動きが擽ったくて、無意識のうちに自らソコを擦り付けるように動いてしまった。
 下唇を噛まれて舌を吸われ、その度に身体中へと弱い電流が巡る。


「は…っ、美咲、ちょっと腰浮かせられる?」
「……ん…」


 浮かせた腰を撫でながら前に滑り込んで来た手に足が震える。
 見下ろした亮平さんの表情はぼやけていても何となく分かって、出された舌の先に自らの舌を合わせて絡み付いた。


「───…っ! ン、ぅ、あっ」
「美咲、かわいい」


 布越しに触れた手の感覚で開いた口から吐き出された声の高さに驚いて亮平さんの肩を押してしまったが、熱っぽい声と表情に誘われるように頬へ擦り寄った。
 耳に食い付かれてぞわぞわするのに、手が下を撫でるから余計に頭が熱に浮かされている。

 下半身に空気が触れた。緊張から強く瞼を閉じたら、そこを緩く撫でた手の熱さと未知の刺激で咄嗟に抱きついてしまった。

 なんだこれ、一人でシた時と比べものにならない。熱い。どう動くか分からない刺激の予感から亮平さんの首筋に噛みついた。


「っ、美咲、キスしたい…」
「は…、ぁ、う…っン、」


 外気に晒された局部を握る手と舌の熱さに頭がくらくらする。こんな気持ち良いなんて知らない。こんな感覚はダメだ、止められない。


「んん、ふ、はぁ…っ、俺も、さわりたい、」
「〜〜ッ! やばいなこれ、」


 抱き付いていた手を下に伸ばしてバックルを外そうとするのに、弄られているせいか震えて手が上手く動かない。
 焦れったくなったのか手伝ってくれて、ボクサーパンツの布越しに触れたそこは硬い膨らみと熱が確かにあって、指先で撫でると向かいで亮平さんが息を詰めた。
 先走りを塗り広げられる刺激に視界が狭くなる。


「っ…美咲、直接、…!」
「ん……、ふ、ぁ…っ、ッ」


 手探りで布からそっと出した塊の大きさにちょっとびっくりしたけれど、俺でそうなってくれているのだと改めて嬉しくなる。


「……美咲、ちょっと、」
「んぅ…? 、ッ!? あ、これ…や…っ」
「、ん…気持ちいいな、っ」


 呼び掛けられてぼんやりした頭のまま応えると、ぐっと腰を引き寄せられて自分のと亮平さんのそれが擦り合わされた。その刺激に混乱して、痺れて、気持ちよくて逃げたくなっても逃げられない。

 ダメだ、こんなん、動いたらすぐ出る───


 


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