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中編
02
 


「連絡先がどうとか遊びいこうとかどうとか本当に煩いんです。ストレスになって罵詈雑言で解消させても悦びやがるからプラマイ0にならない。マイナスです」
「お、おう」
「ヒロってばー、ね、明日仕事休みでしょこのまま遊び行こうよー」
「行かねぇよ明日大学だっつのお前もだろうが帰って寝ろ」
「心配してくれんの?」
「してないふざけんな朽ち果てろ」
「冷たい所もイイ」
「……癒しが欲しいです」
「…いつでも話聞くよ」
「ありがとうございます…」



 切実な表情と声に、しかし出来ることはそれだけしかなくて申し訳なく思うが、それだけでも充分です、と言った宮田君に、いつの間にか隣にいた翔君は無言であったが宮田君の肩に優しく手をおいて、何度か頷いた。



 それから0時で夕勤が上がるまで、小山君は相変わらず宮田君に引っ付き、宮田君は小山君のしつこさに口が悪くなり、それを微笑ましく面白そうに見守る夕勤メンバーが居て。

 宮田君には大変申し訳ないが、俺と翔君に関しては何の被害もなく、夕勤の雰囲気が少し変わって宮田君に変なもんがくっついた、という結果になった。



「……恋ってすげーな」
「……小山君が凄いんだと思う」



 二人になって周りが静かになると、特にやることもなくフロントの所でそんな小さな会話をした。


 少しの間周りで色々あったものの、俺たちは相変わらずのんびりで、無意識に手を繋いで指で遊ぶような関係になって、何だかんだあっても変わらないんだなあと恋人への愛しさも相まって楽しく過ごしている。



「今度また四人でご飯食べに行こう」
「うん」



 定期的に宮田君の鬱憤を晴らして貰うために、この先どうなるかは分からないけれど、出来ることはしようと思う。
 大切な可愛い後輩ですから。


 とりあえず一通りやることを済ませて、暇な時間は空いている客室の整備や風呂のカビ取りなどをしながら、ゆったり時間を潰していくことにした。

 カビ取りの間、客室のテレビで映画を観ながらソファでくっついて翔君の髪を弄る。
 そんな感じで毎日幸せに過ごしてたまに後輩への労いを増やし、この職場で、プライベートで、のんびりゆっくりマイペースに翔君と愛を育むことにしよう。










 後日四人でご飯を食べることになって、並木さんに小山君と宮田君の現状を説明したら、「元遊び人ドM忠犬×誠実ドS爽やかは熱い」とよく分からないことを言ってテーブルに突っ伏していた。
 そういえば並木さんの趣味はそういう感じだったなぁ、とその時思い出した。




END

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あきゅろす。
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