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中編
19時から9時まで。‐01
 


 目が覚めたら夕方5時だった。
 10時近くに帰ってきて、風呂入ってだらけてそのまま寝たような記憶がある。
 たまに仕事終わりに出掛けたりすると死んだように寝るけど、大概22時には目が覚めて怠い体をシャワーで何とか回復させて仕事に行く。
 最初にやらかした寝過ごしとか寝付きの悪さも無くなって、完全なる夜型人間みたいになった。悪くないけどさ。


 枕元に置いていた液晶をタップすると、何件かLINEが入っていて、八割が職場関係だ。みんな暇だな。
 たまに翔君から良く分からない画像が来るけど、毎回じわじわ来る系のシュールなもので、どこで見つけてくるのか分からないが探したやつじゃなくて自分で撮ったやつだから尚更シュールだった。
 そんなたまにある画像が添付された俺たち二人のLINE画面に、寝起きの頭ながら冴えてくるとじわじわ来た。



「しかもギリ午前中…」



 おやすみ、とある短文の下にシュールな画像。
 寝る前に見てたら思い出し笑いで寝られなかったかもしれない。

 おはようシュール画像、と返事をしてから体を伸ばして起き上がる。
 いい具合に空腹で、さてなにを食おうかと思案していると、LINEの着信が来てそれを見ると翔君から返事。


 おはよう、グラタン食べたい。



「…くそ可愛い」



 寝起きからヘビーな食い物の要求に、なぜかときめいた。本当に翔君はマイペースで可愛い。
 ファミレス行こう、と返すと、スタンプで万歳の返事が来て起き上がったはずなのに布団に沈む事になった。
 これを無表情でやってると思うと無性に可愛くて頭撫で回したくなる。

 予定が決まった、とうきうきしながらシャワーを浴びて着替え、通勤途中にあるファミレスに向かった。


 翔君が要求をしてくれることが嬉しい。遊びに行く予定はまだ決めてないけれど、こうして仕事前にご飯を食べるくらいならよくある事で、それが主に俺からだったりするけど、職場の飲み会に参加しない翔君とメシを食うだけでも珍しいことだった。
 しかもそれが翔君からのお誘いだったりすると、なおさら。

 珍しいから嬉しいのか、翔君だから嬉しいのか、最近ちょっと分からなくなっていたりする。
 最初は珍し過ぎてまだ夢見てるんじゃないかとか思ったけど、実際待ち合わせてファミレスだったかラーメン屋だったかに行ってメシ食って仕事場に着くと、ああ夢じゃなかった、なんてそこで初めて実感した。
 で、最近とくに分からないのが、ひたすら翔君がクソ可愛いという事実。
 ぶっちゃけ翔君の見た目が一般的に可愛いより、ミステリアスなかっこよさがあることは分かってる。ぼんやりしていてのんびりしていて、マイペースでだけど仕事はきっちりで接客も低くて小さめの声だけどハキハキしているそのギャップまじたまらん。
 暇な時間に二人で空き部屋で映画鑑賞してる時なんて、たまに俺の肩に寄りかかって寝てたりするんだから、なにこの懐き具合、と思いながらニヤニヤが止まらなくて、ついついさわり心地がよろしい髪を梳いたり頭を撫でたりしちゃったりして。


 やばいな、とは思う。
 何が、とははっきりしてない。
 だけど確かに、これはやばいなと思う事が多々あった。


 


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