短編集(~2019) 02 赤い髪の毛に金のメッシュ、怖面は自覚している。よく授業をサボる。場所は専ら学校の屋上。 所謂不良というやつだ。 美人の母親と美形の父親から産まれた俺は、案の定周りからは美形とちやほや。 高校生になってからは怖面に磨きがかかり、よくある中学生辺りから、夜遊びをして女遊びもして、髪の毛を染めて。 毎日喧嘩三昧だった時もあってか、今では不良の世界でわりと有名な立場にいる。 だから学校だって、生徒が遠巻きに黄色い声を上げる。 まあ、男子高なんだけど。 そこらへんの女子より可愛い面した男子だっているし、ガタイのいい男子が黄色い声を上げたりしてるわけで。 もちろん同性愛が普通を貫く学校だ。 女子に興味を持て、女子に。 なんて入学当初はよく頭の中で突っ込んだが、二年になった今はもう慣れっこだ。 美形ばっかりが集う学校。 なんだか色々と残念な気持ちになったのを、俺は覚えていたりする。 [←][→] [戻る] |