短編集(~2019) 03 「俺の前なら気にすんなって言ってんじゃん」 「おれの気にしゅるんばい」 目をそらして顔を赤くする東坂の可愛さがすげぇ。 怖面なのに怖くないよ。 なにこのギャップ。是非そのままでいて。 「大丈夫だって。俺、その訛り好きだぜ」 「ほんなこつか? 馬鹿にせん?」 「しないしない!わかりにくいやつとかあるかもしんないけどさ」 「聞いてくれれば言うけん ありがとね」 ……ッ!うわぁうわぁぁぁ…! 上目キタ! これは、俺以外に誰とも喋ってほしくねぇ……。 「……癒される」 「は?……いぁ、猫か、癒さるるちゃな 」 ……。 「ちっがーう!お前!東坂!」 「……な、なん言うてんだッ、おれで癒さるるわけねぇやろ!」 「それ!その訛り!」 「……」 「癒されるんだよ!だからそのままでいてください!」 「……」 お願いします! なんて頭下げちゃう俺は、多分きっと今まで癒しがなかったからだと思う。 ある意味麻薬だって。重症。 「……もうよか。わかったとよ」 「いいのか!?」 ばっと顔を上げれば、頷く東坂。 ……俺、今東坂に抱き着きたくなった。 なにこのときめき…! 「と、とりあえずさ、さっき、猫見た時になんて呟いたんだ?」 「かわいいっち意味」 「へぇー、全然違ぇんだな」 すげぇ。 やっぱ場所によって全然違う。 意味同じなのになあ。 不思議不思議。 ああ、もう照れてる東坂が可愛いんですけど! 「はー…オムライス作って来る」 「五十鈴、ため息ついてどげんしたんだ? おれ作ろうか?」 「癒されたの!雑誌見ててクダサイ!」 「……い、いぁ…はい」 色んな意味でとんでもない同室者だ。 なにこの空気。 超嬉しそうに雑誌見ちゃって。 ああ、もう!オムライスよりお前喰ってイイですか!?東坂は受けですか!?むしろ襲い受けですか!? 喰われるより喰っちゃっていいですか!? もたない。 ------------------ [←][→] [戻る] |