短編集(~2019)
君と居ると脱力します。
俺の同室者は、癒し系だ。
外見は不良、赤毛不良。怖面の男前。
見た目は。
私立桜木学園は小中高一環の、高校からは全寮制学園。
金持ちの男ばかりが集う、一般人からすりゃ等身自殺並の閉鎖的空間だ。
俺はそこで何事もなく過ごしてきた。
寮の同室者は毎年入れ変わりで、一年二年共にそれとなく仲良くしてきたんだけど、三年になって決まった同室者に最初俺は今まで培って来たナニかをぶち壊されるような予感がした。
だって、同室者は有名な赤毛不良、東坂だ。
喋るところを見たことがないと言われる程の無口で、鋭い目つき。
目で人を殺せる、とまで。
そんなやつと同室…！
しかし成績は上位。
とんでもない奴と俺は一年間を過ごさないといけない、なんて身の危険すら感じた。
けど、三年になって二ヶ月弱。
俺にとって東坂は怖面赤毛不良じゃなくて、癒し系になっている。
なんかもう怖くもなんともない。
それは何故か。
性格は不良なわけじゃない、普通。
優しいし、あまり喋らないのはクセがあるからだと言ってた。
よく笑うし、勉強も教えてくれる。
俺は東坂と喋りたいしよく声をかけるんだけど、声が返ってくることは稀。
本人曰く出身が問題なんだとか。
血が濃いんだとかなんだとか、カタコトになりながら話してくれた。
けど俺にとってそれは壁でもなんでもなく、もうむしろありのまま喋ってくれって感じなんだよ。
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主の学校は全寮制私立男子校。
三年目の同室者はギャップの人。
主
五十鈴(ｲｽｽﾞ)
赤毛不良
東坂(ﾄｳｻｶ)
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