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短編集(~2019)
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 恋は盲目、人をも変えてしまう。恐ろしい現象だ。
 会長は本当に、クロスケが好きだったのかな。
 人の好みはわからないね。







 それから暫く高等部内は混乱していたが、今回の件に関わった生徒すべての処分が決まり執行されると、年末に向かい平行して段々と落ち着いていった。
 今期の文化祭も、その他予定していたイベントも中止や延期になってしまったけど、混乱の方が大きくて生徒はあまり気にしていないようだ。


 元凶のクロスケは退学、会長や副会長は解任の上に上位クラスから落ち、関わった生徒はその行為のレベル順に、退学や停学、謹慎処分となった。
 会長や副会長が退学にならなかったのは、今までの功績と、家からの嘆願もあったおかげだろう。



 親衛隊は残ったままだが、ほとんど機能はしてない。無くなったも同然だろう。
 でも、会長や副会長など親衛隊を持っていた生徒は、今まで遠巻きにされていたが、今では随分と一般生徒と会話をしたりして、友達のような関係を築けてきているようだ。

 支持率高かったもんな。
 今までの愚行は消えないが、それでも近づいてくれる人間がいる、という事実は、彼らにとって本当の救いになったのだろう。




 その結果も踏まえて、クロスケは結局、最終的に9割には“悪”だが、1割には“善”という位置をあまり変えずに学園から姿を消したわけだ。
 まあ、完全な“悪”にならなかったことは、この学園にとって薄皮一枚の良いところかもな。


 入学と同時に始まった俺たちの遊びは、まあまあ価値になった。
 巧は俺らの遊びの付き添いってとこ。
 ただ入学して調査するだけじゃつまらないからと始まった、二人だけの遊び。


 これから卒業まで、調査員として意識されるんだろうけど、いい抑止力になるだろう。
 学園には教育委員会の調査員が、隠れて自分達の学園生活を見ているっていう事実は、時間が過ぎれば七不思議の一員になりそうな噂に変わりそうだ。



「で、なんで俺らが、あいつらの尻拭いみたいなことしなきゃならないんだ」

「一緒に仕事が出来てうれしい」

「α派出すなーほだされるだろー」

「おい嫁、判子」

「お前それ本気なの?」

「当たり前だろ」



 ひとつ気に入らないのは、巧は変わらないが、俺と律は何故か理事長によって生徒会役員にされたことだ。
 ふざけんなあの野郎。


 しかもなんで俺が会長なんだよ…!






END


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あきゅろす。
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