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「やめて下さいっ!!離して!!」
「暴れないでよー」
段々と近づいていくとこんな声が聞こえてきた。
いじめか?
何にしても道聞けれる状態じゃないな。
急いで走って行き声のした場所に着くと、一人の可愛げな男の子をゴツい三人の男が取り囲んでいた。
三人の内の一人は男の子の腕を掴んでいて、三人共ニヤニヤしてる。
質悪ぃな…。
「おいお前ら、何やってんだよ」
「あァ?なんだてめぇ」
眉をひそめ、睨んで言うと、男達は振り向いて俺を睨み、そして軽く目を見開いた。
「なぁ、こいつキレイな顔してねぇ?」
「ああ…。見たことない顔だな。噂の編入生か?上物じゃねぇか」
男達はコソコソ声で話していて、俺の所まで聞こえてこなかった。
でも、男の子には聞こえていたらしく、
「逃げて下さい!!」
「おーっと、詩歌ちゃんは黙っててねー」
一人の男が詩歌(シイカ)と呼ばれた男の子の口を手で塞ぎ、羽交い締めにする。
残りの二人が近づいてくる。
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