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「スー…スー……」



「桜火ちゃ〜んっ!!もう昼よ〜?起きなさーいっ!!!」

パタパタパタパタ
ドスンッ

「ぐぇっ!!うぅ…母さん……重い……」

「桜火ちゃん!!マ・マでしょ?あとママ重くないもーん♪」



もーん、なんて言って俺の背中の上にダイブしてきた見た目高校生の、綺麗な赤目でふわふわの茶色の長い髪を後ろに一くくりにしているこの人は、俺、暁桜火(アカツキオウカ)の母親、暁桜姫(アカツキオウキ)。



「こらこら桜姫。桜火が困っているよ。どけてあげなさい」

と、のんびり声で母さんを抱き上げたのは俺の父親、暁琉火(アカツキルカ)だ。



「父さん…。母さん毎朝来るんだから、暴走する前に止めてよ……」

春休みに入って数日経ったけど、毎朝毎朝これじゃあゆっくり眠れないじゃないか。
いや、昼なんだから起きなきゃいけないってのはわかってるよ?でもせっかくの春休みなんだから寝なきゃ損じゃねぇ?


「まあまあ桜火、そう言ってやるな。この春休みが終わったら桜火になかなか会えなくなるだろう?桜姫は寂しいんだよ」

「そうよ〜。長い休みの時にしか桜火ちゃんに会えなくなっちゃうなんて寂しすぎるのーっ」

母さんは姫だっこされながら父さんの首に腕を巻き付けて泣き真似してる。

「あーわかったわかった。起きるから…」

まあなんだかんだ言って本気で寂しがってるのはわかるから、大人しく言うこと聞いてるかー。



「桜火ちゃん、おはよう」

「桜火、おはよう」

姫だっこから下りた母さんと、下ろした母さんの肩を抱いている父さん、二人がニッコリ笑って言う。

「おはよう。母さん、父さん」

俺もニッコリ笑って朝のあいさつをした。





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あきゅろす。
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