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TF長編
日常と非日常
金属生命体であるオプティマスと遭遇し
帰路を送ってもらった悠。
あの日から一ヶ月が経った。

「ふぅ・・・。」

オプティマスに送ってもらい、人通りが少ないことをいいことに一時間ほど
ロボットの姿のままの彼と話した。

彼らの故郷
故郷での戦争
彼の仲間
地球での戦い

彼は私が思っているよりずっと果てしなく大きな渦中に立つ存在だった。

私の何倍も生きる彼は、私の話も聞きたがった。
なんてことはない日常のことから悩みまで。

話を聞いてもらい、大先輩の意見や助言を聞き
なんとか気力を立て直した私は
先輩や回りからの陰口を気にしないように
自分らしく一つ一つの仕事をしっかりこなしていた。

結果、この一ヶ月で大きく環境が変わった。

周りに人が増えた。
上司からの信頼を得た。
後輩ができた。

充実した・・・日々。

それでも、今一番欲する願いは叶わないまま。

「・・・今日もいないか。」

あの日以来、一度も彼とは会えていない。
それもそうだ。
彼らトランスフォーマーと呼ばれる金属生命体は
アメリカ軍に配属されていて極秘の存在だからである。

オプティマスはそんなトランスフォーマーの中の
オートボットの司令官だ。
世界を救っている軍団の
一番偉い人。
そんな人にああして助けられただけども光栄なのに
会いたい、だなんて・・・。

いつから私はこんなにも欲深になってしまったのか。

受け止めなくてはいけない。
受け止めなくてはならない。
これが本来ある私の日常なのだから。



帰宅し、誰の迎えもない玄関を抜けリビングの机にカバンを起き
ソファにその身を沈める。
息を吐き、仰向けで目を開けばガラス張りの天井と
吹き抜けで覗く
満天の星空。
私のこの家の一番のお気に入り定位置。

最近はこの日課に一つ追加されたことがある。

「・・・オプティマス達の故郷は、どれなんだろう。」

彼らの惑星の位置を自然と考えてしまう。
星の輝きは惑星が途方もなく昔に放った、何億光年も彼方の光だと
聞いたことがある。
だからこそ考えてしまう。
この中に彼らの星が輝いていた時の光があるのでは、と。

思い更けていると、手で握りしめていたスマホの画面が
急に青く発光した。
ビックリした拍子に手から滑り落ちたスマホがこちらに向けて光を放つ。
眩しくて目を細めながら画面に目を向けると
何か文字が表示されていた。

番号ではなく
アルファベット表記。

「、アッ!!!」

OPTIMUS PRIME


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