白と黒
前書き
とある大きなお城のある部屋にその親子はいた。
「お母様、またあの本読むの?」
彼女の名前はアリア。
この王家の一人娘だった。
可愛らしい緑の洋服と、綺麗な金髪は夕焼けの光を受けて、更に美しく見える。
「そうよ?大事な…とても大事なお話なのよ?さぁ座って。」
椅子に座っているのはアリアの母
同じ金髪の髪の毛はフワフワと雲の様に柔らかそうだ。
アリアは渋々母親の横に座り、ある一つの本を覗き込む。
「じゃぁ読むわね?昔私達のお婆様達は、白魔導師・黒魔導師問わず仲良く暮らしていました。」
そして母親は静かに朗読を始めた。
アリアはそれを何度も聞いていた。
何度も聞きすぎて飽きていた。
じーっと聞いた振りをしながら窓の外を眺めていた。
(何回読むんだろう?)
アリアは心の中でそう思っていた。
その本の台紙には『白と黒』と書かれていた。
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