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白と黒
分け合う強さ。
夕暮れ時、日も傾き辺りにまた朝のような静けさが戻り始める。

 結局昼御飯を作って三人で食べた後はゲームや、お菓子を食べたり等と楽しく過ごした。

 約二人は。

「はーちゃん! 見てみて面白いよこのゲームって言うの」

「あぁ」

 いつでもそんな答えを返してくるハリスに暖海はほとほと愛想がついていた。

 そしてたまらず口を開く。

「……ねぇ」

「?」

アリアはどちらに言ってるのか分からず、首を傾げる。

「あんたたちさ、友達なんでしょ? もうちょっと楽しくできないわけ?」

 そういうと暖海は鋭い目線でハリスを睨む。

 ハリスも睨み返して空気は一気に重くなる。

 アリアは何とかしようと声を挙げようとしたとき、ハリスが先手を取る。

「おれは……こいつと友達なんかじゃねぇ……ただこいつに巻き沿いくってるだけだ」

「……はーちゃん……」

ショックを受けるアリアを見て、暖海は立ち上がりハリスの胸ぐらを掴む。

「あんたさ、もっかい言ってみなよ」

「……」

「ま、真由ちゃん! やめて」

「もっかい言ってみなよ!」

アリアも慌てて暖海を止めようとするが慌てるばかりで何も出来ない。

するとハリスは暖海の手を簡単に振りほどき、ゆっくりと玄関へと向かう。

「はーちゃん待って!」

「……」

「……」

アリアはとにかくハリスの方へと急ぐ。

ドアを開けるとハリスは呟きながら外へ出た。

「俺は友達なんていらねぇ」

「はーちゃん!」

「……」

 そういって出ていった二人を、暖海は何も言わず見送っていた。

「……友達なんていらない……はぁ?






……アイツアホでしょ」


暖海はそう呟くとゆっくりと玄関を開き、外へと出た。


一方走り去るハリスにアリアはなんとかついてきていた

「はーちゃん! ……ま、まって!」

ハリスは我に戻るとアリアの方を振り向き👣を止める。

息を切らしながら駆け寄ってくるアリアを公園の入り口で待つ。

「はぁ……はーちゃん……何であんなこと」

「言っとくがお前と俺は友達じゃない」

「!」

 あまりにもストレートな言葉にアリアは驚き涙を浮かべながら何も言わず公園へと入る。

「……」

「……」

アリアはまた振り出しに戻ってしまったようでため息をついたとにだった。

「白の国、女王の一人娘のアリア!」

「「!!」」

その声に二人は反応し、声の主を見上げる。

そこには大きな一羽の烏が空で大きな羽を羽ばたかせその上に三人の人影が見えた。

「誰だ!」
ハリスが前に出て、アリアを庇う。
「は、はーちゃん……」

「私は黒の国、国王昌音の娘、麗乱……白の国の娘、私があんたを捕まえてやる!」

そんな風景を暖海が公園の近くで見ていた。

「な! なに!? あのデッカイ烏見たこと無い……は! 早くいかないと!」

そう、暖海は二人をおいかけていたのだ。

走行していると黒い闇が公園全体を覆う。

それに、烏と二人は吸い込まれ、暖海は驚きながらも、なんとか黒い闇に入る。

そして辺りは普通の公園に戻ったように見えた。

だが、それは周りに魔法が使っていてるように見せまいと使った魔法だ。

公園のなかでは普通に戦闘が行われていた。

「アイスキャノン!」

ズサ!サ!サ!
「……」

ハリスの魔法を有意義にかわす緑は攻撃を仕掛けようとはしない。

麗乱はそんなハリスの隙をつき、なんとかアリアを奪えないかと試行錯誤していた。

「ふーん、なるほどあんたの事ね? 娘の周りに彷徨いてる変なやつっていうのは」

「お前ら、こいつに何故危害を加えようとする」

ハリスの言葉に麗乱はアリアを一目見る。

「それは本人がよく知ってるんじゃ無いの?」

「え、わ、私……」

「……」

沈黙戦になる姿をまたしてもカタルシアは木陰で観戦していた。

このエリアを張ったのも彼女だ。

「さぁて、どうなるでしょうか?」

烏も小さくなりカタルシアの肩へと飛び乗る。
「あんたがねぇ」

麗乱が小さく口を開く。

そして勢いよく踏み切り、一気にアリアに近づく。

「あんたが居なかったら! それでいいのよ!」

アリアは怖さあまり目を瞑る。

パシ!

その音で周りにまた静けさが戻った。

アリアが目を開けると、座り込んだ麗乱の前に暖海が仁王立ちしている。

そしてなぜが頬を押さえ、涙目になる麗乱。

「なーにしてくれとんのじゃー!!!!!」


「ヒ!」

「麗乱様〜大丈夫ですか?」

「……」

麗乱に寄り添う二人もついでにメンチを切りながら睨み付ける暖海の威勢に勝てるものは一人もいなかった。

何が起きたのか状況が飲み込めず、二人はなにも言えずにいた。

「わ、私をぶったわね!? 酷い! 酷いぃぃぃぃぃ「どっちが酷いのかいってみな!」ヒ!」

麗乱は涙を流しながら暖海の威勢に耐えられず逃げ出す。

「ぐすん……うぅ、お、覚えてなさいよぉぉうわぁぁぁぁん!」

「麗乱様〜!」

「麗乱様」

箔と緑も麗乱に着いていき、迎えに来た烏に乗り、姿を眩ませた。

そこにはカタルシアも乗っていたが三人には見えなかったようだ。

そうすると回りの争った形跡や、黒い世界が普段通り戻っていった。

それを見て暖海は心の中で思っていた。

(こんなこと人間が出来るわけ無い……この二人は本で、出てくる……魔法使い?)

そう思考を巡らせているとアリアが駆け寄る。

「ありがとう! 真由ちゃんかっこよかったよ!」

「え?で、でしょー!」

アリアと暖海が話しているとハリスが睨みを効かせる。

「お前、あんなに危ないことして、怪我でもしたらどうすんだ!」

「なに? 自分もアリアの事守ってたじゃない……それに……」

暖海はアリアに笑みを見せると手を握る。

「あたしたち友達じゃん! 友達が危ないめに合ってるなら助けなきゃね!」

「真由ちゃん……ありがとう!」

アリアは暖海に笑顔を見せる。

暖海も頷くとハリスの方を見る。

「で? あんたはどうなのよ……友達でしょ!」

そういうと、満面の笑みを浮かべる。
アリアも優しく微笑みハリスの手を握る。

ハリスは驚きながらだが、一度俯き再び顔をあげた。










「あぁ……」

その言葉は今まで以上に晴れている気がした。

アリアと暖海は嬉しくなり二人で手を繋いで踊っている。

「やったぁ!それじゃ今からあたしの家で夕食ね♪ 今日は友達祝いよ♪」

「おぉう!」

そういうと二人は走り出す。

ハリスも歩き出そうとすると、アリアが手を引く。

「はーちゃん……ありがとう!」

「!」

その満面の笑みにハリスは何故か顔を赤らめ、一緒に走り出した。


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あきゅろす。
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