amanza meno そんなことがあったとは露知らず。 スクアーロは混乱しつつ、しかしゆっくりと脱ぎ出した。 こういう時は静かに言うことを聞くのが1番だと、体も頭も十分に理解している。 「脱いだぜぇ」 数分もせずに隊服はおろか下着さえも全て脱ぎさったスクアーロは、恥ずかしがる素振りも見せず淡々と完遂を報告した。 その何とも色気のイの字もない言動に、小さくXANXUSは嘆息した。 しかしそれも束の間。 今度は、 「コレに着替えろ」 と紙袋を机に載せた。 「ん?何だァこれ??」 「浴衣だ。」 「・・・?今夏じゃねぇぞォ」 「黙って着替えろカス。」 「う"おぉお"い"!XANXUS!!」 数分後。 XANXUSに興が醒めるから寝室で着替えろと言われ、渋々着替えに出て行ったスクアーロが肩を怒らせ戻ってきた。 女物の浴衣を纏って。 「何で女物なんだァ?!」 真っ赤な下地に紫の蝶が羽ばたき、黒の牡丹が花弁をあふれさせている豪奢な浴衣。 その柄はどこからどう見ても疑いようがない程に女物で、スクアーロは握った両手の拳を震わせた。 「男物じゃつまらねぇだろカス。」 「俺は男だッ」 銀色の長髪に怒りの為か赤らんだ頬うっすらと潤んだ瞳。 その全てが妖艶に夕闇に映える。 文字通り吠えていることさえ除けば。 [*前へ][次へ#] [戻る] |