Ⅱ
「・・今日さ、なんの日か解ってる？」
恐る恐る訊ねる。
すると、嫌な答えが返ってきた。
「バレンタインでしょ？」
「チョコ…くれないのか？」
更に恐る恐る訊いてみる。
嫌な予感はするが、それを無視してついつい期待してしまう自分。
しかし
ディーノのそんな切ない嫌な予感は、
「何で？」
見事に的中してしまった。
「えっだって、」
「恋人にチョコあげるのが、日本のバレンタインなんだろ？」
「恋人じゃない。」
「まだ言ってんのかよー」
「・・それに、勉強に不必要な物は持ち込み禁止なの。」
またも呆れたように言い放たれる言葉の数々に、
ディーノは少なからず苛立ちを覚えていく。
「そりゃそうだろうけど・・・
ほら、大切な人へのプレゼントなんだしさ」
少し説得するように畳み掛けるディーノ。
すると雲雀は、軽く嘆息し、
「あなたみたいに自分に甘い考え方をする人がいるから風紀が乱れるんだよ」
プツン
何かが切れる音がした
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