U そんなこんなで迎えた誕生会当日。 「ディーノ様っ」 「ディーノ様!」 「今日も素敵ですわディーノ様!」 「「「ディーノ様!!」」」 ディーノは両手ならぬ、 腕いっぱいに華を抱えていた。 「私、年に一度だけのこの誕生日パーティーの為だけに生きていますのよっ」 「あら私だって!」 「ディーノ様、もう日本になんて行かないで下さいねっ」 「そうですわ! 私達、寂しくて寂しくて・・・」 その人数・勢いたるや凄まじく、開会の挨拶を済ませいざパーティーとなったその瞬間には既にディーノは囲まれていた。 しかしそんなことで狼狽える訳もなく。 「・・・。」 「今日はお忙しいところ私の誕生日パーティーに来て下さり、本当にありがとうございます。 私も皆さんのお美しいお姿を長い間お目にかかれず、早くこの日がこないかと指折り数え日々を過ごしておりました。 今夜は最後まで、是非楽しんでいって下さいね」 1番美しく見える笑顔を無意識につくり、全員に満遍なくそれを向け会場を後にした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |