トラブルメーカー 3 寮の中は、清潔感のある薄い水色で統一されており病院のような印象だった。 1階には寮長の個室と、大浴場、食堂、談話室などがあり、2階から上の階が一般生徒の部屋となっている。 尚は、大量の荷物を重そうに抱え、3階まで息を切らして階段を上っていた。 中学時代はパソコン部だった為、体力と筋力は一般男子よりも劣る尚には、かなりの重労働だろう。 やっと階段を上り切り、1番手前の部屋番号を見てため息をつく。 306号室 (1番奥の部屋か…) 301号室は4階の階段から1番奥の角部屋になっていた。 荷物を引きずるように持ちながら、301号室のドアの前まで来ると、切れる息を整えるように深呼吸した。 トントンっ 木製の扉をノックする。 しかし部屋の中からは物音一つしない。 (あれ、誰もいないのかな) ガチャ、とドアノブをひねってみるが思ったとおり鍵がかかっていた。 尚は寮長から渡された銀色の鍵を取り出し、ドアを開けた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |