トラブルメーカー
2
(女子の部屋ってこんな感じかな)
尚は一瞬そんなことを考えて、自分の経験のなさが恥ずかしく思えた。
「尚、今お茶いれるから座って」
「あ、ありがとうございます」
クリーム色の2人がけのソファに座る。
梓は簡易キッチンの上に置いていたティーカップに紅茶を注いでいた。
「実はね、僕が朝言った手伝ってほしいことってないんだ」
「え?」
くるりと振り返りながら梓はチロッと舌を出した。
カップの乗ったお盆を持ち梓は尚の前に紅茶を差し出した。
(すごく香りがいい)
尚は紅茶を受け取りながら梓を見た。
「お茶の相手を探してたんだ、ごめんね嘘ついて」
「あ、いえ。何か逆にありがとうございます。俺みたいな新入生誘ってもらって」
「これ、実家からもらってきたんだ。よかったら食べて?」
クッキーも目の前に出されてなんだか至れり尽くせりだな、と感じていると梓はソファに座らずに向かい側のクッションの上に座った。
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