トラブルメーカー
ホームルーム終了後は
「コウは部活動とか入ってないの?」
「入ってねぇ」
ホームルームを終えて、みんながバタバタと教室を出る中、のんびりと尚は光へと話しかけていた。
「部活動って別に入んなくてもいいんだ」
尚が呟くと光はそれを無視するように席を立つ。
「また明日ね、コウ」
背中に声をかけるとコウは、手だけあげて帰ってしまった。
不器用そうな光は会話もあまりしないらしい。
「あ、そうだ。寮長」
今朝食堂で、手伝ってくれと言われた言葉を、思い出し尚は急いで教室を出た。
先程出たばかりのコウは何故か既にいなくなっていた。
寮に着き、寮長の部屋へと向かう。
パタパタと廊下を走っていると、寮長室と書かれたプレートが見えた。
コンコン、息を整えながら軽くノックした。
ガチャ、と鍵があく。
「あ、尚くん。わざわざありがとう」
蜂蜜色の瞳が尚を見上げる。
瞳の色とは対照的な漆黒の髪が艶めいて見えた。
「どうぞ、入って」
「あ、失礼します」
ふわっ、と部屋に入った瞬間花の香りに包まれる。
一人部屋は広く、そして綺麗に整頓されていた。
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