トラブルメーカー
3
寮長は和食セットを頼んでおり、おいなりさん2つと、キノコとほうれん草のバターソテーと照り焼きチキンと味噌汁がトレイにのっていた。
「改めて、僕は三浦梓。ここの寮長をしているんだ。よろしくね」
「俺は、」
「清水尚君、だよね?」
寮長が首を傾げると、サラサラの髪がふわりと舞った。
「あ、そうです。よく覚えてましたね!」
寮長は薄い形のいい唇を少し吊り上げた。
尚はそれに気づかずに残りのサンドウィッチを頬張った。
「今ね、寮の入れ替え時期で少し忙しいんだ。それで君みたいに優秀な子にぜひ手伝ってもらいたいなぁ、と思って」
梓は細く綺麗な指先でおいなりさんを掴み、赤い舌で舐めるように一口食べた。
尚は少女のような顔の梓に、少しよからぬ想像をしてしまい顔を赤らめる。
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