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狐の嫁入り


「よ・・・め・・・?」

俺が驚いて勢いよく立ち上がると、銀が俺の脇に
手を差し込んで、ひょいと持ち上げた

「危ない、ここは風呂だ怪我をするぞ」

そう言って今度は俺を抱きかかえた
いわゆる・・・お、お姫様抱っこに・・・しかも裸!

「あの・・・降ろして」
「なぜ?」
「は、恥ずかしいから・・・」
「そうか?大丈夫だ。ここには俺とお前しかいない」

銀は俺を降ろさずにスタスタと歩き始めた
確かに周りに人はいない・・・けど・・・っ

「くしゅっ!!」

さ、寒い・・・裸のままとか、寒すぎる・・・
俺の体が震えていることに気がついたらしい銀が
すまない、と言って尻尾を俺に被せた

「・・・暖かい」

フワッフワだ・・・あ、この感じ・・・

「懐かしい、な」

銀がポツリと呟いた

「銀も?俺も今そう思ったんだ。昔もこんなこと
あったような気がして」
「覚えてない・・・か、12年前も、こうしてお前を
温めてやったことがある」

やっぱりそうなのか
銀と会ったのは、夢じゃ無いんだ・・・

「着いたぞ」

そう言うと銀は歩くのを止めた
ギィィという音と共に目の前にあった扉が開いた






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あきゅろす。
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