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狐の嫁入り


「神社の境内で・・・誰かと、一緒にいて・・・」
「うん」
「その人は、俺の、頭を・・・よく撫でてくれて」
「うん」
「その人とずーっと、話して・・・それで・・・」
「それで?」

あれ・・・?なんか・・・頭が・・・イタい

「俺・・・その人と、結婚する・・・って・・・」
「そう、それは・・・夢かな?」

そう言って目の前の男は、俺の顔を両手で挟んだ
視界いっぱいに男の顔が見える

「思い出して、和也・・・俺の名前を」
「あなたは・・・夢の人・・・?」

そう聞くと、その人はニコリと笑った
そっか・・・この人が・・・約束の相手か・・・
分かった途端、心臓がドクリと高鳴った

「っは・・・熱、い」
「思い出せば楽になるよ・・・和也、俺は誰?」
「貴方・・・は・・・」
「思い出して、君がつけてくれた大切な名前を」

優しく頭を撫でられ少し眠くなる
まどろみに落ちていく前に、俺は大切な人の名前
を思い出した

「・・・『銀』」
「当たり」

最後に見たのは、夢の中と同じように嬉しそうに
笑う、銀の笑顔だった












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あきゅろす。
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