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狐の嫁入り


翌日、俺とお祖母ちゃんは裏の神社に来ていた
長い階段を一緒に登って、鳥居の前まで来た

「ッハー・・・疲れたっ」
「はぁ・・・私も歳ねー、膝が痛いわ」

お祖母ちゃんが膝をなでながら呟いた

「何言ってんの、お祖母ちゃんはまだまだ若いよ
!」
「ありがとう。・・・・・ねぇ、和くん」

お祖母ちゃんが俺の顔を覗き込んでくる
何だろう?と思って、俺も見つめ返す

「和君、六歳の時に此処に来たの・・・覚えてる?」
「ぇ・・・?」

よく覚えていない。と言うと、お祖母ちゃんが
その時のことを話してくれた
俺は六歳の時裏山で迷子になったのだと
どこを探しても見つからなくて、村では
「神隠し」と言われていたこと
丸1日経った後に、突然神社に現れたらしい・・・
ということ

「そんなことあったっけ?」
「えぇ、それで私が迎えに行ったの・・・その時に
・・・和くん『和也』・・・!」

お祖母ちゃんの声を遮って、少し低めの、でも
とてもキレイな声が響いた




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