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狐の嫁入り


〜銀視点〜


「起きたか?」 

そっと襖を開いて中を覗く
中には布団の上で気持ちよさそうに眠っている大切な人

「まだ寝てるか」

半年前、俺は和也との約束を果たした
あの時は本当に嬉しかったな・・・
長年想い続けた相手と交わることが出来た


山の中に迷い込んできた子供
見た瞬間に思った、俺のモノにしたいと

一目惚れとは、こういうことを言うんだろうな
まだ幼い、しかも人間の少年に・・・

「ふふっ」

あの時のことを思い出して小さく笑うと
もぞ、と和也が動いた 

「ん・・・ぎ、ん?」
「起こしたか」
「んーん、寝るつもりなかったから、いいよ」

目をこすりながらゆっくり起き上がる愛しい人
じっと見つめていると、なに?と覗き込んできた

「いや、調子はどうだ?」
「大丈夫。さっきね、動いたんだよ」

そう言って和也はお腹をさすった
和也の腹は、もう結構大きくなった
本来なら私と同じ妖狐が子を産むはずだったから、どうなるかと少し心配だったが
今のところ問題はない

「そうか、そろそろ産まれるのやもしれんな」
「ふふ、楽しみだね」

あぁ、そんなに幸せそうに笑う
和也を後ろから優しく包み込む

「銀?」
「・・・はー、本当にお前は」
「何」

じと、と見上げられる
それに笑って返すと、和也は顔を赤くさせてうつむいてしまった

「愛している」

可愛い可愛い、俺の嫁











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