[携帯モード] [URL送信]

狐の嫁入り
10

小さく震える俺の体を、銀が優しく抱きしめた

「すまない・・・本当なら子を産むのは位の低い狐の役目なのだが・・・この村に今妖狐は俺だけ・・・それに」

銀は俺の背中を撫でながらポツリと呟いた

「俺はお前を愛している」
「・・・!」

耳元で愛を囁かれてしまった・・・
一気に体が熱くなる
驚いて銀の顔を見ると、銀も照れているのか、少し顔が赤くなっていた

「俺は、お前との子が欲しい・・・だめか?」

ジッと瞳を見つめられる
こんなことになるなんて思いもしなかった
しかも約束をしたのは12年前だ
守る必要も無いのかもしれない・・・けど

「銀」
「なんだ?」
「俺のこと、ずーっと・・・愛してくれる?」

俺がそう聞くと、銀は一瞬驚いたような顔をしたけど、すぐに満面の笑みを浮かべた

「勿論だ。一生大切にする」

あぁ・・・こんなにも俺を愛してくれる
種族も違うのに、12年間ずっと俺のことを想っていてくれたんだね、銀
そう思うと、胸がギュッと締め付けられた

「ありがとう」
「こちらこそ、和也」


[*前へ][次へ#]

10/17ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!