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無題(アニエク22話捏造散文)



「僕が魔神を抑えて虚無界に縛り付ける。ゲートが閉まったらすぐに壊すんだ。二度と悪魔が物質界に干渉出来ないように」

「なっ!?バカ言うな…っ!!んなことしたらお前は!!」

「兄さん言ったよね、もう誰も巻き込みたくないって。だから、これで終わりにしよう?僕ら二人で終わらせよう。」







今、ようやく解った気がする。僕らが双子として生まれてきた理由。きっと僕たちはもともと一つだった。けれど二つに別たれた。そしてこうなる運命にあった。魔神に対峙するこの時のために。

世界は、物質界は燐を選んだ。生まれながらの底知れぬ力を持て余し、思い悩み、周囲からは恐れられ拒絶されながらも、燐はいつだって世界に優しかった。人に、そこに生きる者に、優しくあろうとした。不条理な現実は全て己の非として抱え込んで、優しいことのために力を使いたいと青の焔を纏って立ち向かっていくその姿と確固たる信念。皆が惹きつけられるのに時間はかからなかった

今思うと、そんなことはずっと前から解っていた気がする。泣いてばかりの僕を傷だらけになりながら守ってくれたときから。口に出して言うことすら叶わなかった僕の夢を、誰よりもまっすぐ信じてくれたときから。人間よりも人間くさい貴方を守りたいと思った、あのときから。

世界はきっと兄を愛してくれる、と。
だってこんなにも僕は貴方を想っているから。

こうすることが僕がこれまで存在してきた意味だというのなら、これが僕に出来る貴方を守れる唯一の手段ならば。
喜んで受け入れよう。

たとえ最初から仕組まれていた運命だったとしても。

そうだよね?神父さん。
これでいいんだよね?
約束、やっと果たせるかな?





「雪男…っ!!ゆ、きお!!てっめぇ…ふざけんなよ…言っただろっ!!十年はえーんだよ!!守るとか!運命とかっ!!んな小難しいこと俺には解んねぇよ!!けどなぁ、これだけは解るぞ…」

「兄ってのはなぁっ!!!!
弟を守るもんなんだよっっ!!!!」

ふらつく足元を降魔剣の鞘を軸にして押し留める。
あれだけ血を奪われたというのに、全身が沸騰するように熱い。それに反して頭の中は異常に冷静だった。きっと今為すべきことが考えるまでもなく明確だったからに違いない。

待ってろ、今迎えに行く。

剣を構え、標的を見据える。全てを終わらせ、弟を取り戻す。必ず、絶対にだ。
そしてその後は賢いくせに大馬鹿者の片割れの頭を思いっきりはたいて説教してやるのだ。きっとこんなチャンスはまたと無いに違いない。そう思うと自然と口角が上がった。

何度も言うけどな、俺に難しいことは解んねーよ。知ってんだろお前、俺の頭の出来くらい。

虚無界とか物質界とか。
人間、悪魔、祓魔師、魔神。
世界の成り立ちや人々の感情。
復讐、憎しみ、悲しみ。

親父の死と
お前の泣き顔。

なあ、雪男。
これまで歩んできた道が全部決まっていたことだなんて誰が思うんだよ。思わねえよバカ。ぜっってぇー思わねえし、いくらお前の言うことでも納得なんかしてやらない。
お前がそんな態度なら全部まるごとひっくり返してやるよ。

そう決意すると知らず僅かに嗤っていた。
きっと悪魔に相応しい意地の悪い表情になっているだろう

「…運命なんてクソくらえだ」

思わず零れたその台詞が今の俺の全てだった。









結局2期OPが好きすぎるんですって話w
頼むから幸せになって奥村兄弟…!!!!(泣)







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