for you 筋トレ飴ときどき鞭 (独夢)企画 匿名さまリク 「いや!やだやだ!いーやーだー!!!」 「駄々をこねるな!!」 ルートは子供じゃないだろう、と私を窘める。 そりゃあ子供じゃないよ? でもさぁ…誰だって全力で拒みたい時もある。 「トレーニングなんて嫌!私マッチョになんかなりたくないぃぃぃぃ!!」 「name、今日の夜一人で寝たいのか?」 「うっ…」 私が今夜ルートと一緒に寝たいと言ったらルートは私にトレーニングをするなら寝てやると言ってきたのだ。 昨日、一昨日とフェリシアーノに逃げられたからイライラしてるらしい。 「寝たいのか。なら仕方ない。交換条件であるトレーニングは免除してやる」 ルートは意地悪だと思う。 私が嫌だと言うって解って言ってるんだから。 その証拠にほら、口の端があがってる。 「解ったよ…やるからちゃんと寝てよね?」 ふっ、と笑って頭を撫でられる。 私はこれに弱い。 いつもこうやって丸め込まれてしまうのだ。 惚れた弱み、というやつ。 しかし、ルートの筋トレに付き合うのはキツい。 フェリシアーノにやるように厳しくされるのかと身構える。 「女のお前にそこまで厳しくするつもりはない。安心しろ。腹筋100回だけだ。」 「うん♪…え!!?」 「100なんて直ぐだろ。ほら、始めるぞ」 「うぇーい……」 この人の脳から筋トレを取り除きたいと思った。 始めの20回くらいまでは根性でできたが、私は運動を滅多にしない女の子だ。 もうお腹が痛くて仕方ない。 横目でルートを窺えば、ものすごいスピードで腹筋をしていた。 この人はどこまで真面目なのだろうか。 でもやっぱりそこが格好いい。 「ルートかっこいい…」 「ふぐっ!!…name!トレーニング中は喋るな!」 赤くなってる赤くなってる。 照れてるのを理屈で誤魔化すなんて可愛い。 「もう無理ー。ルートが押さえてくれなきゃ出来ないよー…」 今ならイケる、と思ったのでもう一押し。 「ルートと一緒なら頑張るからぁ」 上目遣いで甘えてみせると、ルートはさらに赤くなって溜息をついた。 「解ったから、待ってろ」 自分のノルマを終わらせるから、とせっせと腹筋を再開した。 「ほら、始めるぞ」 「うぇーい…」 ルートのカウントに合わせて腹筋をする。 早いよルート…。 「…8、…9……」 10、と身体を起こせば。 額に何か柔らかい感触。 「え?えぇぇ!?」 それはルートの唇だった。 もう腹筋どころじゃない。 私の心拍数は多分人間の限界値くらいに達するだろうと思うくらい早かった。 「ご褒美、だ。10回毎にしてやる」 「もう無理…」 疲労とドキドキで私のキャパシティは限界。 しかし私の気持ちをルートが解ってくれる訳がない。 「して欲しくないのか?」 「でも…」 「10回毎だ。嫌ならやめてもいいぞ?」 「はい…」 キスに釣られるとか…。 すごく悔しいけれど、私はキスの為に腹筋を続行することに決めた。 約束どおりルートは10回毎にキスをしてくれた。 でも額ばっかりでそろそろ物足りない。 キスされる度に赤くなってしまう自分も自分だが、それをルートが楽しんでるのも悔しい。 なんとかぎゃふんと言わせたい。 回数もあと三回、私は仕返しを考えた。 「98、99……ひゃ…っ!!?」 ひゃく、と言おうとする唇を自分のそれで塞ぐ。 唇を離すと予想通り、目を見開いているルートヴィッヒさま。 「えへへ、仕返し?」 「お前なあ…」 「私100回頑張ったよ?偉い?」 「ああ、そうだな」 大きな手が私の髪を梳く。 その温かさにうっとりとしてしまう。 あ…ルートの顔近い… 「name……」 「ん…」 優しく唇を覆われる。 ルートに委ねれば、段々キスが深くなっていく。 「ふぅ…っん……」 暫くして唇が離れたが、私はもうギブアップ。 「ルートのばか…。それに…明日お腹痛くて動けないよ私…」 肩で息をしながら反論すると、ルートは不敵に笑った。 「それなら俺が可愛がってやる。今夜から…な」 ふわりと抱き上げられる。 さすがマッチョ、余裕だなぁ…。 「馬鹿…」 本当にこの人は私の扱いが上手い。 でも、そんな彼に身を任せるのが好きだ。 今夜、どうしてくれよう。 「ルートー、ルートーっ!!今夜ルートんちでパスタ食べようよ〜!!」 「こんにちはルートさん…ってうわぁぁぁぁすみませんっ!!フェリシアーノくん、帰りましょう?」 「貴様ら…帰れぇぇぇぇぇ!!!!!」 あとがき。 ギャグになってない(汗) Sなドイツ、甘夢というのは出来たと思うのですが…いかがでしょう? すみません、なんせ初ルートでして…← こちらはフリー配布です。 ご自由にどうぞ! 11*24 [*前へ][次へ#] [戻る] |