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変わりゆく世界
キョウヤの誕生日@
「キョウヤの誕生日…??」

彼も人の子なのねと呟くと、当たり前だと軽く頭をはたかれる。

「特におまえは恭さんにかなりお世話になっているのだから、ちゃんとプレゼントを用意しとくんだぞ」

そう草壁はくるりと踵を返すと、そのまま部屋から退室してしまった。


さて、何をプレゼントしたものか。

今日は5月2日。
雲雀の誕生日の三日前だ。

リサは机に向かい、とにかく思いつくものを取り敢えずリストアップすることにした。



@好きな食べ物(ハンバーグ)を作ってあげる

リサはこれはないと直ぐさま、ペンで二十線を引いた。
彼女は最悪に料理音痴…いや家事全般がダメダメだ。
食べさせた日には3日間は腹を下させる自信がある。


A新しい着物やスーツをプレゼント

これも却下。
彼が持ってるものは全て一級であり、予算が足りない。
ちなみにどちらかと言えば安めなネクタイはすでにたくさん持っている。


Bアクセサリーなどの服飾品をプレゼント

これも却下。
戦闘道具としてリングを身につけてるくらいで、好んでつけるタイプではない。


あれもダメ、これもダメ。
そうやってどんどん却下していくと、最後に一つだけ残ったものがあった。


Sストレス解消にサンドバックになってあげる(最終手段!)


リサはさらに頭を抱えた。
……本当にこれが一番喜びそうだからである。

5月5日が自分の命日になるのではないかと、一抹の不安を隠せなかった。






なんだかんだと5月4日になってしまった。
外に出てプレゼントを買いには行ったものの、いろいろトラブルがあって結局買えずじまいだった。(相変わらず外出運がない)

やはりサンドバックになるしかないのかと唸っていると、後ろから声を掛けられた。

「リサ、おまえ宛に何か届いてるみたいだぞ?」

そう言って手渡されたのは、いくらか大きい段ボールの箱だ。
持って見ると思ったより軽い。

差出人を確認すると、意外な人物だった。

「ディーノさんから…??」

キャバッローネのボスとは雲雀伝いで知り合い、可愛いがってもらったりと大変お世話になっている方だ。

そんな彼から雲雀ではなく、なぜ自分宛なのだろうと不審に思いながら自室に戻って開封する。

リサは目に飛び込んで来たものに驚愕した。
慌てて段ボールをひっくり返すとディーノからの直筆の手紙も出て来る。

リサは手紙を読み、もう一度゛ソレ゛に視線を戻す。


――やるしかない。

リサは゛ソレ゛を握り締めた。


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ディーノから送られてきたものとは一体何…!?
次回、5月5日当日編。

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