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桜色の涙 4 (完結)
グラウンドの奥で静かに佇んでいる桜はまだその花を咲かせ続けている。枝を広げて一心に花を咲かすその姿は、まるで何かを伝えんとするかのように見えた。そんな一生懸命な桜とは対照的に自分は自分の心に蓋をして必死に押し殺している。それはきっと誰よりも滑稽なのだろう。


なかなか花を散らそうとしない姿に、こんなことは今までにない初めてのことだと学校でもこの桜のことはしばしば話題に上った。今年は例年以上に長く桜を楽しめると天気予報が言っていたが、さすがにこれは長いだろうと銀時も皆と同じように思っていた。そう思う一方で過ぎ行く時間に抗うように花を咲かせ続けるその老木の桜が、あの日の桜であるのだろうと分かっていた。この高校に赴任してすぐに悟っていたのだ。帰って来るまで待っててくれ、ちゃんと俺の所に帰って来いよ、そんな風に約束し合って、結局叶うことがなかった約束は新たな人生を歩むようになっても変わらず銀時の心の中で大きな存在として残り続けている。それはきっとこれからもずっと変わることはないだろう。


「――という訳で、連絡事項は以上でーす。あ、お前らー課題ちゃんとやれよ。」


じゃあまた明日なと簡単に挨拶をして銀時が話を終わらせると、生徒達は次々に席を立って教室から出て行こうとする。


「先生、さよーなら。」

「バイバイ、坂田先生。」

「おう、気ィ付けてな。」


窓際の席をできる限り見ないようにしながら、銀時は片手を挙げて彼らに応えていく。そうしている内に艶やかな緑の黒髪が視界の隅に映り込んで、胸が軋むように傷んだ。気まぐれでも。悪ふざけでも。昨日の土方との口付けは馬鹿みたいに嬉しくて、それと同じ分だけ苦しくて泣きたくなった。あの時に、おいおい何やってんだよ、俺、男だよー、大丈夫?土方くん、と笑って返してやることができたら良かったのに。そう振る舞えていたら、こんなにもつらくはなかったはずなのに。


「……」


記憶の中の彼と今の彼を重ねて前世の思い出だけを愛おしむことで何とかやり過ごそうとしているのに、どんどん自分の心は傷を負っていく。前世の彼と今の彼が笑ってしまうくらいに同じだからだ。生まれ変わりなのだから、そんなことは当然なのに。どうにもならない現実から目を逸らしてしまいたくて。一瞬でもそんなことを考えてしまった自身が信じられなかった。自分はいつからこんなにも弱くなってしまったのだろうか。結局は負けてしまったのだけれど、前世の自分は土方を想ってあんなにも必死に病と闘っていたというのに。


「……何してんだよ、今の俺は。」


力なく呟かれた銀時の声はあまりに小さくて、周囲の者達がその言葉に気付くことはなかった。銀時は見ないようしていた窓際へ引き寄せられるように視線を移した。結局は自分の心に抗うことなどできないのだ。右手に持った通学鞄を肩に引っ掛けて、土方が教室を出て行こうとする。けれどもその横顔がこちらを向くことはなかった。銀時は放課後の騒がしい教室の中に立ち尽くしたまま、遠ざかるその背中を切なさの滲む瞳で見送ることしかできなかった。






土方への様々な感情が頭の中でぐるぐるして破裂しそうになりながらも残っていた仕事を何とか無理矢理終わらせて、銀時は学校から近い自宅アパートに帰る前に近所のコンビニに寄ることにした。気休め程度にしかならないであろうが、糖分を摂取して心を落ち着かせたかったのだ。適当にお菓子を買い込んでいちご牛乳と一緒に食べて、今日はもう寝てしまおう。帰宅してからの予定を考えながらコンビニの前まで来た瞬間、出入り口の自動ドアが開いた。店内から出て来た人物に銀時の視線は釘付けになった。


「先生…!?」

「――っ、土方…」


少し前にその背中を見送ったばかりであったというのに、こうしてまた顔を合わせてしまった偶然に自分の運命を呪いたい気分だった。こんな風にコンビニでばったり会うことは、あの世界では何度もあった。そんな時はいつも土方にねだって甘い物を買ってもらったのだ。あんまり食い過ぎんなよ、年齢考えろよなと心配されることもあったが、奢ってくれてありがとなとお礼を言うと、決まって嬉しそうに頷いてくれた。そんな触れ合いは今の彼とはできやしないのだ。それは当たり前で、悲しい現実だった。


「……」

「……」


銀時も土方もお互いに黙ったままだった。昨日の放課後のあれが言うまでもなく2人の間で尾を引いていたが、このままいつまでも黙っている訳にもいかず、銀時は小さく息を吐き出すと、土方に手招きしてコンビニの駐車場の端に移動した。


「ちょっと前だけど、学校の近くのアパートに引っ越したんだよね。俺、よく寝坊しそうになるから。このコンビニからも近けェんだよ。近いってのはやっぱ便利でいいもんだね。」


銀時は普段と変わらないのんびりとした口調で土方に話し掛けた。あの口付けのことはお互いの為にも訊くべきではないと思った。だからあれはなかったことにして、普段通りに接するべきなのだ。銀時がいつもの調子で会話を切り出してくれたことに安堵したのか、土方はほっとしたような表情を浮かべた。


「…お前は、学校帰りみてェだけど、遅くまで残ってたの?すぐに帰らなかったっけ?」

「…部活見学で、色々見てました。」

「へー、そっか。」

「イマドキじゃねぇって笑うかもしれないですけど、剣術とか、昔からそういうのに興味あって。剣道部見学してきたんです。俺、大切な人を護れるような強い奴になりたいと思ってて…」

「いいじゃん。すげーかっこいいと思うよ、俺は。…お前に護ってもらえる子は、一生幸せだね〜。」


あ、お前モテそうだし、もうそういう子見つけちゃってたりして。やるせなくて仕方のない心を隠す為にそんな風にからかってみたら、土方は静かに首を振った。こちらを見つめてくる深い青の瞳が真剣さを帯びていて、銀時は近付いて来た土方から距離を取ることができなかった。


「銀時…」


土方に耳元で名前を囁かれた瞬間、真選組の黒の隊服を着たもう1人の彼が重なって見えた。首筋に艶やかな黒髪が触れ、鼓膜が彼の甘い囁きに震えた。唇を奪われたあの時よりもずっと近くに彼を感じて身体中の血が沸騰してしまいそうだった。


「…お前、いきなり、なに……」

「すいません。今は…学校じゃないから。だから、名前で呼びました。」

「ひじ、かた…」

「俺、そろそろ帰ります。それから、昨日は驚かせて…すみませんでした。」


失礼しますと土方は小さく会釈すると、銀時に背を向けて走り出した。今何が起きたのか頭では理解できてはいたが、感情がついて来てくれなかった。銀時がその場から動けないでいると、通りを駆けていく土方が一度だけ振り返った。土方、と名前を呼ぼうとしたが、彼はすぐに前を向いて走って行った。


「……あんなの顔、初めて見た。」


紫煙を燻らせている時の満足そうな顔。喧嘩した時の文句を言いたげな不満たっぷりの顔。一緒に眠ったの時の少しあどけなさの残っていた顔。一夜を共にする時だけに見せてくれる男らしい色気のある顔。仕事でデートの約束を反故にしてしまったことを必死に謝ってきた時の可愛い顔。銀時、と名前を呼んでくれる時の優しい顔。彼の表情は全部覚えていると思っていたのに。


「土方。」


振り返った土方は、今にも切なさに押し潰されそうな表情をしていた。どうしてあんな顔をしたのだろう。痛いくらいに胸が締め付けられてどうしようもなかった。



*****
「先生、話があります。」


翌日、帰りのHRを終えて残っている課題の採点の続きでもしようかと職員室に戻ろうとした銀時は、土方に声を掛けられた。


「話があるんです。大事な話なんで…」

「俺に?」

「先生の都合がいいなら…」

「……分かった。いいよ。あ、でもちょっとやりたいことがあっから、30分後ぐらいでもいい?」

「分かりました。…あの桜の木の下で待ってます。」


大事な話。桜の木の下。前世の自分も同じように呼び出された。そして、異星で任務に就くことになって暫く地球を離れることになるけれども、変わらずに自分の帰りを待っていて欲しいという願いの込められた約束を聞かされたのだ。


「デジャヴってのに似てんな、こういうの。」


机の上に広がっている採点途中の課題の用紙に手をつけることもなく、銀時は重い溜め息を吐いた。たった30分くらいの時間では、この心を落ち着けることなどやはり無理だったのだ。


「覚悟決めなきゃ、いけねェのかもな。」


どんなに求めても手に入らない物は確かに存在する。どうしようもなくつらいのだとしても、諦めて自分の気持ちと折り合いをつけながら生きていかなければならないこともある。それでも求める気持ちを抑えきれない場合はどうすればいいのだろうか。銀時はゆっくりとした足取りで職員室を出ると、土方が待つあの桜へと向かった。






先ほどからずっと、少し離れた場所からではあるが、運動部の生徒達の訝しげな視線を感じる。放課後のグラウンドに特に用もないはずの教師と生徒が、しかも桜の木の下で何やら話し込んでいたら気になってしまっても仕方がないのかもしれない。これから数分後にどんな結果が待っているのだとしても、自分達だけの時間にしたかった。銀時は黙ってこちらを見つめてくる土方から一旦視線を外すと
グラウンドにそれを移した。


「えーと、先生達のことが気になってると思うんだけど〜、」


銀時は桜の大木に背を向けて口元に手を当てると、ちょっとこいつの悩み相談というか、人生相談をね、開放的な場所で聞いてやろっかなーと思って、と野球部の部員に届くように少し声を張り上げながらおどけてみせた。


「ってことで、俺らのことは気にせず練習しろよなー!」


土方がデリケートな問題を抱えているのだと気を遣ったのか、彼らはそうだったのかとお互いに顔を見合わせると、銀時に会釈してから再び練習を始めた。そしてそれからこちらへ近付くことはなかった。話ができる状況になったことに安堵して夕空を仰ぎ見る。そういえば、あの日は桜の色が綺麗に映える青い空が見えたが、こんな黄昏の時間に話すのもまた違った雰囲気があるなと銀時はぼんやりと思い出した。そして頭上の桜の花に視線を移し、それからゆっくりと土方に向き直った。


「よし、これで邪魔は入らないから大丈夫だな。それで、話っていうのは?」

「……」

「おーい、土方?」

「……」

「土方、聞いてるー?」

「銀時。」

「…っ、」


確かめるように紡がれた名前。昨日も耳にしたその音を銀時は複雑な思いで受け止めた。


「先生に、訊きたいことがあるんだ。」

「……」

「先生は、一体誰を見てんだよ。」

「……っ、」

「俺に誰を重ねてるんですか。」

「…それは、」


心の中の想いに蓋をして、笑って話を聞いてやって上手くはぐらかそうと思っていたのに。自分の全く予想外の問いにどう答えればいいのかと銀時は言葉を詰まらせた。目を逸らして背を向けてここから逃げ出してしまいたかったのに、群青の瞳はそれを許してはくれなかった。


「えーと、突然、何…言ってんの?俺はちゃんと土方を見てるよ。先生はちゃーんと大事な生徒のことを見てます。」

「昼休みの時の会話、覚えてるはずです。やっぱりお前も、マヨネーズ好きなんだって言ったんだ。お前もって。あの時、先生は笑ってたけど、どうしても俺に向けて笑ってるようには見えなかった。…俺を通して別の誰かを見てるみてェだった。それからずっと考えてたんです。俺が感じてる通り、先生の心の中には、誰かの存在があんだろ?」

『そっか、やっぱりお前もそれ好きなんだ。あ、でもそんな大量にぶっかけるとか、俺は絶対無理だけどね。』


土方との会話を思い出して、小さく肩が震えた。


「まだ会ったばかりだけど、先生を見てて分かった。先生が誰かに恋してること。そいつと俺はそんなに似てるんですか?……先生が誰か他の奴を好きでも、そうだとしても、俺は諦めたくない。俺は、先生が好きなんだ。」

「土方…」


土方の真剣な告白にもう言い逃れはできそうになかった。目を逸らして背を向けて、逃げ出すことはできない。逃げてはいけないのだ、『土方十四郎』を好きだという気持ちから。銀時は夕暮れの空を仰いだ後、土方に視線を向けた。


「……それは…お前だよ。もう1人のお前。正確に言えば、前世のお前だ。」

「前世って、先生…」


あーあ、言っちまったと自嘲気味に心の中で呟いた後、銀時はとうとう覚悟を決めた。胸の内に秘めておかなければならなかった想いを告げなければならないのだと。


「確かにお前とあいつを重ねて見てた。お前とあいつの魂は一緒だからよ。でもさ、すげー苦しくて、つらくて……だけど、でも、俺は…だからって別にお前に思い出して欲しいなとか思ってた訳じゃねーんだ。ただ前世の俺らの想いを受け止めた上で、そんでお前と一緒に歩いて行けたら…そんな風に心の中で思ってた。まぁ、願っちゃいけねーんだけどね、そもそもそんなことはさ。…つーか、いきなりこんなこと話しちまって、びっくりしたろ?……ほんと悪ィと思ってる。」

「俺も、全部覚えてる。」

「え…?」

「覚えてる。」


銀時は一瞬、土方が何を言っているのか分からなかった。だが、5文字のその言葉の意味をはっきりと理解した途端、どうしようもないほどに心が震えた。


「先生と同じように俺にも前世の記憶があるんです。真選組副長の土方十四郎と万事屋の坂田銀時のこと。」

「土、方…お前…」

「先生、約束覚えてんだろ?」


土方がふっと笑んで、距離を詰める。すぐ目の前には土方の優しい顔。銀時はその笑みに覚えがあった。寄り添っている時にいつも土方が見せてくれた優しい微笑だった。その微笑みを記憶の中だけの物にしたくなどなかった。これからもずっとずっと隣で見ていたい。


「……覚えてる。忘れられるはず、ねーよ。」

「なぁ、先生。俺達は今を生きてる。あの日々が大切なことに変わりはねェよ。俺だってずっと大事にしてきたんだ。だけど、それに縛られて全然身動き取れなくなっちまったら、それこそ本当に意味ねェだろ?前世の俺達はそんなこと望んじゃいねェんだ。今度こそ一緒に幸せになりたい。ただそれだけなんだ。そうだろ?」

「土方…」

「俺は、銀時が好きなんだ。お前に惚れてる。ずっと大切にしてェんだ。」


あぁ、またその言葉を貰うことができるなら。他にもう何もいらなかった。


「俺も…俺も、お前がいい。お前じゃなけりゃ…」

「銀時…」


伸ばされた指先でそっと頬を拭われ、銀時は土方の突然の行動に驚いて目を見開いた。どうやら銀時の瞳から一筋の雫が零れ落ちていたらしい。自分では全く気付かなかった。いい歳した大人が、しかも好きな相手の前で何をやっているのかと焦ったが、透明なそれは次から次へと溢れてきて止まらなかった。


「あり?何だこれ…」

「先生、大丈夫か?動揺しちまったのか?」

「何か自分でも分かんねーけど、勝手に出てきやがる。あぁ、うん、でもこれ動揺とか、そういうのじゃ、なくて…多分、安心したのかも。」


大丈夫大丈夫と頷き、何度か深呼吸を繰り返して涙を止めた。銀時が落ち着いたのを見て土方は安堵の表情を浮かべると、俺、思うんだけど、とゆっくり言葉を紡いだ。


「この桜の木、俺達がまたこんな風に一緒になれるまで、散らずに待っててくれたのかもな。」


学校の周辺の桜はその多くがもう既に散ってしまっているのに、 2人の前にある桜の大木は今もまだ淡く白い花を咲かせ続けている。もしかしたら土方の言う通りなのかもしれない。この桜は2人の約束がいつか再び叶うことを待っていてくれたのではないかと。


「綺麗だ。」

「うん、俺もそう思う。この桜、 昔とおんなじでやっぱ綺麗だよな。全然変わっちゃいねェと思うよ。」

「先生の方が、綺麗だ 。」

「へ?」

「さっきの綺麗だってのは、桜のことじゃなくて先生に言ったんだよ。あの日もそう思ったけどな、桜よりも銀時の方がずっと綺麗だ。」


桜よりも綺麗だ、なんて、よくそんな恥ずかしいことを平気で言えるものだと思ってしまう。優しい眼差しと共に告げられたその言の葉は、銀時の頬を朱に染めるのに十分な力を持っていた。


「…お前、マヨネーズの大量摂取といい、そういう格好つけな感じとか、全然変わんないのな。」

「それが俺なんだよ。」


土方は別にいいじゃねーかと恥ずかしそうに頭を掻いた。今になって照れくさそうな態度を取り始める土方を見ていたら、銀時までさらにぶわっと頬が熱くなるのを感じた。


「何だよ、悪ィかよ。」

「や、別に…あ、そういえばさ、土方お前、喋り方が…」

「ああ、2人きりの時は立場とか年齢とかそういうの関係ねェだろ?だからもう気にしなくていいかと思ったんだ。」

「……俺の方が一応年上なんですけど。それに先生という立場ある人は敬うべきだよ、土方くん。」


今の立場やしがらみなど全く気にしないと胸を張る土方が眩しくて、銀時は照れくささを隠すようにそんなことを言った。


「そうは言うけどな、銀時、お前だって副長だった俺のこと全然敬ってなかったじゃねーか。万年昼行灯だったお前より公務員の俺の方が立場あったと思うけどな。」


そう言って少し意地悪く、それでもとても楽しそうに笑う土方は、焦がれてやまない、銀時の好きな彼だった。


「ちょ、無職じゃないから。万事屋は立派な職業だからね!何でもできちゃうすげー仕事だったんだからな!」

「必死過ぎだな、お前。」

「だって…俺、お前には…」

「そうだよな、昔の俺は勿論、今の俺にも十分惚れ込んじまってんだもんな。」


あぁ、そんな風に幸せそうに見つめられてしまえば。


「好きだ、銀時。これでやっと、ただいまって言える。」

「うん。俺も、やっと言える。おかえり、土方。」

「ああ、ただいま。」


これからはずっと一緒だな、そうなるね、と銀時は土方と共に桜を見上げて、2人で笑い合った。うっすらと茜色に染まる桜の花びらが風に乗ってひらひらと舞い落ちてくる。それは本当に綺麗だった。






END






「なぁ。」

「んー何?まだ何かあったっけ?」

「最後まで俺にあの病のこと連絡しなかったのは、自分の気持ちより俺のこと考えたからだったんだよな。」

「……」

「…あと、お前のことだから、あんなもん軽く治してまた会えると思ったんだろ?それだけ俺のこと考えててくれたんだよな。」

「えーと、ばれちまってたみたい、だね。くそっ、すげー恥ずかしい…」

「今だって、てめーのことより俺のこと優先しようとしてたしな。馬鹿だよな、お前。優しくて可愛すぎる馬鹿だ。」

「お前な、馬鹿馬鹿言うな。俺、今は先生なんだからね!で、お前は生徒。…好きってのは、変わらねェけど、変わった部分もあんだからな。」

「でも、こうしてちゃんとまた会えたな。」

「ひじ、かた…」

「そうだろ?」

「…うん。」

「ただいまも、おかえりも言えた。」

「土方。」

「もう、離さねェからな。」






あとがき
一度は書いてみたい土銀転生パロのお話を書くことができて満足しています!前世と現世のことでぐるぐる悩む可愛い銀ちゃんが書きたかったので、そんな銀ちゃんいいよね!と共感して頂けたら嬉しいです。おまけ的な会話も最後に入れてみました。


転生後も名前は銀時のままですが、先生銀ちゃんの見た目は銀八先生のイメージです。白衣に眼鏡は最高なので^^


土方くんが先生にちゅーしたり名前で呼んだりしたのは、先生の心の中に居座る相手に対抗する為でした。それが前世の自分だったと知って、まじかー!!ってなりますが、銀ちゃんがどれだけ自分のことを好きでいてくれたのか分かったので、複雑な気分になっても、まぁそれなら仕方ねェなと許して最終的にはにやにやしてしまうんじゃないかなと^^現世の年の差や立場なんて全く気にせず2人でずっとらぶらぶしてるといいです^///^


春が過ぎて夏、秋、冬と過ぎ行く季節を2人で過ごす中で、前世のことを色々話して笑い合うと思うのですが、これから2人で新しい思い出をもっとたくさん作っていくんだなと思うと転生パロは本当に美味しいですね!


ここまでお読み頂きましてありがとうございました!

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あきゅろす。
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