[携帯モード] [URL送信]
Bitter Sweet Honey
60000HIT記念リクエストでさおつ様から頂いた「ミニスカサンタコスの25骸」のお話です 

原作寄りの大人白骸の2人です




「はい、骸クン!突然だけど今からこれ着てね♪」

「なっ…何故僕がこのような物を…意味が分かりません。」


にこにこと楽しそうな白蘭が無理矢理手渡した物に視線を落とした骸は信じられないとばかりにわなわなと唇を震わせた。白蘭はそんな彼を堪らなく可愛いと思いながらも、もっと可愛くなってもらわなくちゃね、と拒絶の意思を見せる骸に有無を言わせない笑顔で迫った。


「カレンダー見なくたって知ってるとは思うけど、今日はクリスマスイブだよ!だから君にはそれを着てもらいたいんだ。」

「嫌です。だってこれは…」


白蘭の自室の広いリビングに立つ骸が手にしているそれは、クリスマスパーティーなどで女性が着るミニスカサンタの衣装一式だったのだ。周囲の者達から美人だ綺麗だと言われてはいるが、骸はれっきとした男であり、男である自分がこんな物を着る必要など絶対にないという思いが彼の表情からありありと見て取れた。


「そんな顔しないでよ。絶対似合うから♪ね?だから早く着替えて着替えて!」

「…白蘭、似合う似合わないの問題ではありません。僕はこんな物、死んでも着ませんから。」

「へぇー、そんなこと言っていいのかな?」


普段よりもトーンを落とした白蘭の声に衣装を突き返そうとした骸の肩が小さく跳ねた。


「僕ってさ、何不自由なくここに君を住まわせてあげてるし、高級店のチョコレートとか有名ブランドのオーダーメイドの服もいっぱい買ってあげてるよね?」

「いきなり何ですか…」

「骸君がそのサンタ服着てくれないなら、そういう今までの全部君に請求するよ?」

「……」

「多分君が思ってるよりすごい金額になると思うけど、それでもいいの?ボンゴレの懐事情じゃ君もそこまで…」

「…っ、」


骸は恋人と手の中の赤い衣装を見比べた後、観念したように重い溜め息を漏らした。


「分かりました。着ればいいのでしょう、着れば!…ええ、良いでしょう、仕方なく着てあげますよ。」

「わぁ!ありがとう、骸クン♪」


白蘭が満面の笑みでお礼を言うと、着替え中は絶対に覗くなと早口で告げて骸はリビングから出て行った。フイと逸らされた視線は羞恥心からだ。プライドの高い骸のことだ、きっとこの状況を理不尽だと感じているのだろう。


「ほーんとどこまでも可愛いんだから。」


ああは言ったが、白蘭は骸に請求する気など全くありはしない。自分はそんな器量のない男ではないのだ。骸に様々な贈り物をしたり、快適な環境を提供するのは骸に対する愛情表現の1つなのだから。冗談のつもりだったのだが、それなのに言うことを聞いてしまうなんて愛らしいというか単純というか。骸君は実は純粋で本当にイイ子なんだよねと思いながら、白蘭はソファーに腰を下ろすと可愛い自分だけのサンタクロースが現れるのを待つことにしたのだった。





「……じろじろ見ないで、下さい。」

「えーそんなの無理♪」


リビングにそっと戻って来た骸は白蘭の頭の中の彼よりもずっと素晴らしかった。想像以上だといえた。ファー付きの赤い手袋をした両手を前で組んで、骸は居たたまれなさに耐えているように見える。白蘭はソファーに座ったまま、愛くるしい骸の姿をまずはじっくりと目で楽しんだ。骸は白蘭の言われた通りにとがった帽子までちょこんと可愛らしく被っていた。首には着ているワンピースと同じ赤いベロア生地のリボンがチョーカーのように巻かれ、結び目の先で白いボアが揺れている。肝心のワンピースは胸元が大きく開いたベアトップになっており、白いボアがくるみボタンのように3つ付いていて何とも言えない可愛らしさだ。黒い革のベルトが細い腰をさらに強調しているように見えるのはもう仕方がないだろう。膝上20cm丈のフレアタイプのミニスカートの裾の部分にも白いボアがあしらわれている。そして白いニーハイソックスが細く美しい曲線美を演出していた。


「ほらほら、突っ立てないで座りなよ♪」


長い足が堪らなくそそるなと思いながら、白蘭は革張りのソファーをポンポンと叩いて骸に座るように促した。渋々隣に座った骸に笑い掛け、彼が被っていたサンタの帽子を取ると、白いジレの胸ポケットに入れていた赤いベルベッド生地のリボンを取り出した。そして腕を伸ばして骸の髪留めをそっと外すと、代わりにリボンで絹糸の髪を結び直した。


「うん、こっちの方がもっと可愛い。」

「―っ…」


耳元で甘く囁かれた可愛いという言葉に動揺してうっすらと頬を赤く染めた骸の肩を抱き寄せると、白蘭は恋人が寝室で葛藤しながら着替えている間に用意したケーキの乗った皿を目の前の愛らしいサンタに差し出した。


「…ってことで骸君、僕に食べさせて?」

「これ以上僕に要求する気ですか。」

「僕のお願い聞いといた方がいいと思うけどな♪」

「…屈辱、です。」


あーんと口を開いて待っていると、生クリームたっぷりのスポンジがフォークに乗って運ばれて来た。白蘭は恥ずかしそうに目を伏せながらケーキを食べさせてくれる骸の様子に満足げに目を細めると、もういいよと優しく声を掛けて次いで骸の腰を引き寄せた。


「白、蘭…!?」

「ねぇ、骸君。」

「何ですか。」

「君は、今日はサンタなんだよね?サンタならプレゼントをくれるはずなんだけど。」

「は?何言ってるんですか。これはあなたが無理矢理僕に…」

「ああ、君自身がプレゼントってことなのかな?」


ちょっと人の話を聞きなさいと狼狽える骸に構わず、白蘭は骸の手首を掴むと自分の方へと強く引っ張った。心地良い重みを上半身に感じて白蘭の唇から吐息が零れた。腕を引っ張られたことで自分から恋人の体に乗り上げるような体勢になった骸と睫毛が触れ合いそうなほどの至近距離で目が合う。恥ずかしさと緊張で潤んだ赤と青の瞳。赤い衣装が映える白い肌。両足の隙間にある細くしなやかな肢体。ミニスカートの隙間から覗く艶めかしい太もも。そのどれもが白蘭の心を惹き付けて離さなかった。


「骸、くん…」

「…ん、びゃく、ら…」


堪らず目の前の唇を奪っていた。勿論柔らかな舌を追い掛けて絡め取ることも忘れずにだ。今日は骸が普段と違う服装だからか、いつも以上に倒錯的な気分になった。白蘭は骸の体をさらに引き寄せると、背中に腕を回して片手で器用にワンピースのファスナーを下ろしていき、そのまま手を差し入れて滑らかな肌を味わった。自分が与える愛撫に反応して体を震わせる骸が可愛くて愛しくてどうしようもなかった。


「骸君大好き、愛してる。」

「……」


真剣な瞳でそう告げたら、腕の中の骸は僅かに目を見開いた。そして、分かっていますから、もう好きにしなさいと言うようにそっとその瞳を閉じた。あぁ、これからもずっと僕には君だけだ。君だけなんだよ。白蘭は溢れる想いを抱き締めるように腕の中に骸を包み込んだ。





「あなた、最低です。3回は死んで下さい。いや、3回程度では足りませんね。」


ソファーのすぐ下に落ちている見るも無残な状態になってしまったミニスカサンタの衣装を一瞥して、骸は大きな溜め息を吐いた。白蘭は自分の傍らで憮然とした表情を浮かべている骸に激しくしちゃってごめんねと眉尻を下げると、寝室から引っ張り出してきた毛布を愛しい人の肩に掛け直してやった。白いスラックスを穿き直した白蘭と違って薄いシャツに下着だけの骸は、それくらいの気遣いは当然ですとばかりに白蘭をちらっと見やった後に毛布の中に顔を埋めた。


「ねぇねぇ、骸君。」

「…何です、白蘭。」


気だるい体をソファーに沈めていた骸が毛布の中から小動物のように顔を出した。ああもう可愛いなと思いつつ、白蘭は骸にちゃんと伝えておこうと思ったことを口にした。


「さっき言った、君に請求するとかだけど、あれは冗談だからね。僕、骸君に絶対にそんなことするつもりなんてないから。ただ可愛いサンタな骸君が見たかっただけで…それだけは分かってもらいたくて。」

「…知っています。」

「え…!?知ってるって、それじゃあ骸君、君が着替えてくれたのって…」

「あなたの気まぐれに付き合ってあげなければもっと大変なことが待っているくらい目に見えてます。どうせ避けられないのですから、被害は小さい方が良いと判断したまでです。それだけです。別にあなたの為などでは…」


彼はきっと嘘を吐いている。屁理屈みたいなその嘘に隠されているふわりとした想いにどうすればいいのか分からないくらいの嬉しさが込み上げた。白蘭は嬉しさを隠せないままに骸に近付いて細い腰に腕を回した。


「でもさぁ、骸君も途中からすっごく燃えてたじゃん。やっぱりミニスカサンタコスのプレイ、良かったんじゃない?僕も楽しかったもん♪」

「…っ、それ以上馬鹿なことを言うのでしたら…僕は…」

「うん?」

「僕は…」

「ふふ、照れてる君も可愛くてたまんないね。」


結局最後まで言葉を続けることができず、動揺を見られないようにと骸は毛布の中に顔を隠してしまった。顔を隠すことに成功した骸だったが、赤くなった耳までは隠せなかったようだ。可愛らしい恋人を少しからかってみたらこの反応だ。いつも初々しい反応を見せてくれる彼にこれからもずっと夢中でいるに違いない。それは何とも幸せな未来だなと白蘭は頬を緩ませた。


「メリークリスマス、骸クン♪本当にありがとう。可愛い君を見ることができて最高だよ。」






END





あとがき
素敵で萌えるリクエストを頂いたのですが、これがいっぱいいっぱいでしたすみません…´`どこか少しでも楽しんで頂ければ幸いです。


25骸のミニスカサンタコスいいですよねーv個人的にはミニスカサンタコスの骸にケーキを食べさせてもらってにやける白蘭、な白骸が好きです。サンタコスは黒い衣装に網タイツでもセクシーでいいなと思ったのですが、王道の赤色にしました!やっぱり王道はいいと思うんです!ネットで色々とサンタコスを検索したのですが、色々な衣装があって可愛いですよね^^自分は絶対に着ないので好きなキャラに着せて妄想するとものすごく楽しいです♪ミニスカサンタコスな骸は最強に可愛いと思います!!


ちなみに白蘭は外出できるようにワンピースの上に羽織るケープと編み上げのニーハイブーツも用意していました^^ですが、それ着てお外行こうよー♪なんて口にでもしようものなら、骸に三叉槍で瞬殺されてしまいますね。部屋の中までは白蘭の為に…と許せても、さすがに外に出るのは奥さんも許さないと思います。でも結局骸は白蘭のことを許してしまってらぶらぶなのでそれでいいです^^


さおつ様、この度はリクエストして頂きまして本当にありがとうございました!!

[*前へ][次へ#]

99/123ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!