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仲直りの方法
喧嘩した後の2人の気持ちを書いているので、ほとんど会話がありません;




骸君と喧嘩しちゃった。


うん、まぁ、恋人と一緒に住んでいるからって、毎日らぶらぶって訳にはいかないし、喧嘩も大事なコミュニケーションの1つだとは思う。


でも今回は多分…いや100%僕が悪いんだよね。骸君が大事に食べるのをとっておいた限定品のチョコを食べちゃったから。だってすごく美味しそうだったんだもん。ちょっとだけ…って思ってたのに、気が付いたら完食してて、そこをばっちり骸君に見られちゃった。


あの時の骸君は本当に怖かった。笑顔で仕方ないですね、って言ってたけど、目が全然笑ってなかったんだよ。


ごめんね〜、骸君。つい美味しそうだったから食べちゃった。


僕が笑って謝ったからだろう。悪いことして何へらへらしてるんですか、今のあなたには全く誠意が感じられません、当分僕に話し掛けないで下さい、骸君にそうぴしゃりと言われてしまった。


どうしよう、骸君を怒らせちゃった。いつもなら何やかんやで、僕が何かしても目を瞑ってくれるんだけど。それだけチョコ食べられちゃったこと我慢できなかったのかな……可愛いなぁ。って違う違う。この状況何とかしなきゃ。



だけど骸君は宣言した通り、僕が話し掛けても必要最低限しか話してくれなかった。うん、これは本格的にまずいよね…


骸君、僕お詫びに食べちゃったチョコ買ってくるから。だから今回のこと、許して欲しいよ。骸君と話せないのは辛いよ…



*****
白蘭と喧嘩してしまいました。


恋人と一緒に住んでいても、毎日が薔薇色という訳ではありません。それは当然です。喧嘩だってしますよ。ですが喧嘩することで、白蘭とコミュニケーションを取れることは良いことではあるとは思いますけどね。


だからといってそれはそれ。今回は100%白蘭が悪い。僕が大事に大事にとっておいた限定品のチョコレートを食べたのですから。あれを買うのに僕が何時間並んだと思っているのでしょう。あぁ腹が立つ。


仕事から帰って来て、リビングで僕のチョコレートを食べている白蘭を見た時は、笑うしかありませんでしたよ。彼の軽率さに。本当に馬鹿なんですかね。チョコレートのパッケージに「六道骸」と書いておかないと分からないのでしょうか。


ごめんね〜、骸君、つい美味しそうだったから食べちゃった、って何ですかそれは。あなたは美味しそうだと思えば、僕のものも平気で食べる訳ですか。それに謝る時は普通もっと真剣でしょう。


悪いことして何へらへらしてるんですか、今のあなたには全く誠意が感じられません、当分僕に話し掛けないで下さい、それくらい言っても良いですよね。さすがに僕も我慢できません。たかがチョコレートと思うかもしれませんけど、僕にとってはチョコレートを食べる瞬間は至福なんですよ。


今までも似たようなことが何度かありましたが、大目に見て目を瞑ってきました。ですが今回はちょっとお灸を据えても、白蘭には文句を言う権利はありません。



僕は自分の宣言した通り、当分白蘭には必要最低限しか話しません。これに懲りたら、もう僕のチョコレートを横取りするようなことは控えることですね、白蘭。


*****
一緒の部屋に居るのに、骸君の纏う空気が冷たい。うぅ、骸君まだ怒ってる。美人が怒ると凄みが…


でも考えたら骸君が怒るのも無理ないんだよね。僕だって大好きなマシマロを食べられちゃったら、ちょっとはキレるもん。骸君には酷いことしちゃった。だからちゃんと謝りたい。なのに骸君の放つオーラに気圧されちゃって、なかなか話し掛けられないんだよ。


自分が悪いんだけど、恋人に冷たくされるのは、やっぱりキツいなぁ。ねぇ骸君、僕、君と話せないと兎みたいに寂しくて死んじゃうかも。そんな風に感じちゃうくらいには僕、まいっちゃってるよ。



*****
もうこれくらいが潮時ですかね。白蘭は僕とまともに話せなくて、結構辛いみたいですから。


僕に謝りたいのに、それができなくて、ぐるぐるしている彼は思った以上に可愛いんですよ。そんなあなたがもう少しだけ見たいなんて言ったら、怒られてしまいますね。


自分から会話禁止命令を出しましたけど、白蘭が僕とちゃんと話せなくてやきもきしているのと同じように、彼と話さなくなってから、僕も何となく…もやもやしているんですよね。



…何だか僕も大概ですね。自分で言っておきながら、やっぱり白蘭と話せないのは辛いだなんて。でも恥ずかしくて、今さらそんなことは言えません。


だから白蘭、早く無理にでも僕に謝って下さい。本当はあなたが話し掛けてくれるのを僕は…待っているんですから。


*****
こうなったら、もう実力行使しかないよね。謝ろうと思ったら。


え〜いと、僕はリビングで読書中の骸君に後ろから抱き付いた。


そしてそのまま骸君の耳元でごめんなさいと謝った。でもこんなことしたら余計に怒っちゃうかな?


「遅いですよ。…謝るのが。」


あれれ?骸君、怒ってないみたい…


骸君は前を向いているから、僕からその顔は見えなかったんだけど、彼の耳はうっすらと赤くなっていた。


「骸君、本当にごめんね。僕、骸君の前だと甘えたくて子供になっちゃうみたい。」

「だからといって人が買ってきた物を食べて良い理由にはならないんですけどね。…本当にあなたは。」


骸君は呆れたような顔をして僕を見たけど、その表情とは裏腹に、紡がれた言葉には甘い響きがあった。


僕が骸君にだけ甘えちゃって、結果的に色々困らせてしまう訳だけど、それを少しでも嬉しいとか思ってくれてたらいいのにな。


僕は骸君に笑い掛けた。すると骸君もそっとそれに応えてくれた。



笑い掛けたら、同じように笑ってくれる。大切な想いを込めて抱き締めたら、同じように抱き締め返してくれる。そして優しく優しく口付けを交わす。




それが僕達のーー






END






あとがき
最後の文章はそのままタイトルに繋がります^^


こんな白骸、どこかに落ちてませんかね?


すごく小さな可愛いらしいことで、喧嘩もどきみたいなことをしてしまう白骸も好きです(≧▽≦)誰得かと考えたら、完全に自分の自己満なのですが;



お付き合い下さって、ありがとうございました♪

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あきゅろす。
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