君といつまでも 3(完結)
2人は収容所内にある庭園を歩いていた。
この庭園には薔薇のアーチや可憐な花が咲く花壇があり、憩いの場にはぴったりだった。白蘭は骸の少し先を歩きながら、色とりどりの花を楽しそうに眺めている。ふと骸は、彼は花が好きだったことを思い出した。
白蘭と暮らしていた時、毎日のように花が送られたものだった。値段の高い洋服や高級な洋菓子でも申し訳ないと思っていたのに、彼は飽きもせず花をくれた。僕の気持ちを花に込めて、と言って。
「骸君〜。こっちにベンチがあるから座ろうよ。」
白蘭に呼ばれて骸は噴水の前のベンチに腰掛けた。
「ここの庭、すごいよねぇ。僕花が好きだから楽しかった。」
「えぇ、綺麗です。こんな風にあなたとゆっくり過ごすのは心地良いですね。」
「僕、いつかここを出る日が来たらさ、花を育てながらのんびり暮らしたいなぁって思う。広い花畑を買って。あ、でも甘い物も好きだから、お菓子屋さんとかもいいかもね。」
「あなた器用ですから、どちらもできそうですよ。」
「えへへ、そうかなぁ。その時は骸君も一緒だよ。僕はもう君を離さない。いつまでもずっと一緒に居たいよ。」
白蘭の語る未来を想像しながら、一緒に花を育てるのも悪くないと、骸は思った。
「僕だって、あなたといつまでも一緒に居ますよ。」
2人の思い描く未来はきっと訪れる。 そう遠くない、いつの日にか。
これからの楽しみが1つ増えたと骸は小さく笑った。
僕はもう1人になることはない。白蘭と居れば、これからもずっと幸せなのだと、骸は喜びを噛みしめた。
穏やかな太陽の光が、2人の未来を照らすように、いつでも柔らかく降り注いでいた。
END
あとがき
やってしまいました。未来編終了後の捏造です。1度やってみたかったんです^^
コミックスで未来編のエピローグを見て、これは未来で白蘭は生きていたんじゃないかと解釈して、だったら骸とくっつけたいと思いまして。
一応あのまま未来が続いていると仮定して書きました。あの戦いの後も白蘭は生きていたという無理矢理設定なので、その辺りは深く考えずに雰囲気でさらっと読んで下さるとありがたいです。
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