野菜はたくさん食べましょう♪
八百蘭×買い物客25骸
ぐだぐだ会話文です
<美味しい野菜揃ってます♪>
「いらっしゃいませ…って、うっわーすっごい美人さんだ!!…うん、悪くないね。ふふ、ようこそ、八百蘭へ♪美味しい野菜がたくさん揃ってるよ。」
「(……距離が近いです。何なのですか、やけに馴れ馴れしいですね、この頭の軽そうな店長。)」
「僕はこの八百屋の店長の白蘭だよ。よろしくねー!」
「はあ…」
「ねぇねぇ、僕が着てるこのエプロンなんだけどさ♪」
「(だから距離が近い。)あの…それが、何か?」
「八百蘭って書いてあるじゃん?あ、僕のお店の名前なんだけど、で、僕の名前は白蘭な訳でさ、百蘭と白蘭ってすごく字の感じが似てるよね?だからさ、僕、このエプロンを毎日着る度にテンションが上がってしょうがないんだよ♪僕のこの気持ち、君に分かるかな?」
「…いきなりそのようなことを言われてもよく分からないのですが…あなた、随分とおめでたい人なんですね。それは分かりました。」
「あ、今…僕のこと馬鹿にしたよね。言っとくけど、僕、ちゃんと野菜ソムリエの資格とか持ってるんだから!」
「へぇ、そうなんですか。」
「何そのどうでもいいです、みたいな口調は!ひどい!」
「あなたの言う通り、別に…そこまでは……僕はただ野菜を買いに来ただけですので。」
「ちょっと、いくら美人だからって何でも許されると思ったら大間違いだからね!僕、今傷付いたんだよ、君の暴言で。美人さんがそんなことしたら駄目だよ。」
「さっきから僕のことを美人美人と言いますが、僕、別に美人ではないと思いますけど。というより、男に美人は表現がおかしいです。」
「いやいや何言ってんの、君。どこをどう見たって美人だよ。美容を気にして野菜を買いに来る女性のお客さんも結構いるんだけど、君以上の美人は今日初めて見たよ。……この際言っちゃうけど、僕のタイプだよ♪」
「なっ、」
「わーそんな生ごみ見るような目とかやめて!ドン引きしないでよ!別に変なこととか何もしないから!」
「……」
「黙り込んじゃうのも勘弁して!」
「……」
「…ほんとごめん、やっぱり今の発言は僕の心にしまっておくべきだったよね。ああもう僕の馬鹿!」
「…何も別にそこまで必死にならなくても。」
「え…?」
「僕は客として来たのですから、ちゃんと買いますよ。」
「君、名前はなんていうの?」
「名前、ですか…?僕は…六道、骸ですが…」
「骸君かぁ。」
「(何故いきなり下の名前呼びなのですか。やっぱり馴れ馴れしいですね、まったく。この男は他の客に対してもこのような態度なのでしょうか?まさか、僕にだけ?)」
「骸君、僕が君の為にすっごく美味しい野菜選んであげる♪今日のオススメはね――」
「(…真剣な横顔だ。さっきまであんなにふざけていたのに…)」
「肉や魚にはたくさんの栄養があるけどさ、それに負けないくらい野菜にも栄養が詰まってるんだよ。食べる人を元気にさせちゃうパワーがね!」
「…あなたには、色々と思うことはありますけど…確かに、そうですね、ここの野菜はどれも美味しそうですから、それに免じてたまにならば来てあげましょうかね。先ほどのことは水に流しますよ。」
「ほんと!?」
「言っておきますが、たまに、ですよ。たまにです。気が向いたら買いに来てあげてもいいですよ。」
「それで構わないよ。本当にありがとう。いつでもお待ちしています!」
「…っ、」
その眩しい笑顔が僕に強烈な印象を残した。それが後にどんな意味を持つことになるのか、その時の僕は知る由もなかった。
<何事も見た目で判断されがちです>
「お、その野菜に目を付けるなんて、君もなかなかやるね、骸クン♪」
「見たことのない野菜でしたので。」
「この野菜はね、ロマネスコっていうんだよ。イタリア産の野菜なんだ。」
「イタリアですか…僕でも知りませんでした。」
「ブロッコリーの方がずっとメジャーだしね。日本の市場じゃ、なかなかお目にかかれないんだから♪こっちじゃ珍しい野菜だし、骸君も食べたことないなら買ってみなよ。パスタには勿論合うし、マヨネーズで和えてもいいし、クリームディップにして食べてもオシャレだよ。」
「何だかあなたがまともな人間に見えます。」
「え?何それひどい!ひどいよ!僕、普通にお仕事してるだけなんだけど。骸君の中の僕のイメージってどんな風な訳?」
「そうですね、土日にライブハウスに出入りして平日に実家の八百屋を手伝っている頭の軽そうな青年、ですかね。」
「それって僕の見た目からの偏ったイメージじゃん。骸君の中の僕の扱いがひどい…あとさ、僕はこーいう服が好きなんだよ、ファッションは自由だよ!それに頭は軽くないからね。第一印象だけで判断するのはんったーい!」
「ですが、大抵の場合、人は第一印象で判断するものですよ。」
「だから、もっと仲良くなって、中身を知ることが大事なんだよ。野菜だって同じ。見た目の色や形で好き嫌いとかを判断したら駄目なんだ。このロマネスコだってちょっと見た目は可愛くなくてアレだけど、食感はいいし、ビタミンCもたくさん入ってるんだよ。どんな物もさ、中身を知ることが大事なんだ。」
「やはり今日のあなたは、まともに見えます。」
「だから、僕はまともなんだってば!そうじゃなきゃ、八百屋さんなんて結構大変な仕事切り盛りできないんだからね!せっかくいいこと言ったのにー!もう、僕に意地悪しないでよ。骸君の、馬鹿。」
「(おやおや、顔が赤くなっているではありませんか。からかうと反応が面白いですね。)」
人をからかってばかりいそうな彼の、意外な一面。
<野菜を洗って切った後が料理の腕の見せ所です>
「あなたに教えてもらったハーブを入れた鶏肉のトマト煮込み、この前ここで買ったトマトで作ってみたら美味しかったです。それに余ったトマトでコンポートも作ったんですよ。こちらも甘くて上品な味でした。」
「そっか、それは良かった!トマトはつい面倒だからってスライスしてサラダに入れちゃうだけの人が多いけど、一工夫したり少し手間を掛けると、いつもと違ったいろんな味を楽しめるんだよね。」
「確かにそうですね。」
「そうだ!ねぇ、骸君。僕が料理作りに行ってあげるよ♪」
「結構です。丁重にお断りします。」
「即答!?即答とかひどいよー。ちょっとは迷ってくれてもいいじゃないか。」
「下心しかなさそうなので…」
「うん。なくはないね♪」
「あなたの方こそ即答ではありませんか。」
「だって君ともっと仲良くなりたいんだ。その為ならできることは何でもする!」
「ですから、結構です。でもレシピは教えて下さい。まだ色々と知っているのでしょう?」
「(あ、綺麗な笑顔だ。違うってちゃんと分かってるけど、僕、この顔にほんと弱いんだよね。だって、僕にこんなに綺麗に微笑んでくれてるんだよ?そんなの言うこと聞いちゃうしかないよ。)」
「それだけで十分ですから。」
「そんなぁ。」
「あなたの料理のセンスは認めているんですよ。センスだけ、ですけど。」
「骸君のいじわる!」
腕の見せ所を発揮するチャンスはそうそう簡単に巡ってこないのが、悲しいかな、現実だ。見せる腕はまだ空回り。
<でもなんやかんやで結構仲良くなりました?>
「ねぇ、骸君。君のその髪型なんだけど、何かに似てるなーってずっと思っててさ、」
「……」
「僕、毎日野菜の競りで市場に行くんだけど、この前ある物を見てさ、何だろうなーっていう今までのモヤモヤがやっと解消したんだよ!」
「君のその髪って、パイナッ「それ以上続けるならば堕としますよ?」
「(え…!?落とす…?何に?あ、落とし穴、とか…?じゃなくて…え?え?何で骸君そんな綺麗な笑顔なのに怖いオーラ出てるの?前見た時の笑顔よりももっと凄味が増してるんだけど!)やだなぁ、そんな怖い顔して。君の髪型はフルーツみたいにフレッシュさがあるって褒めようと思っただけだよ。」
「褒めても何も出て来ませんよ。」
「それはもう分かってるから言わないで。とにかくさ、骸君の髪って長くて綺麗だし、絹糸みたいに細くて繊細で…あ、髪にいい野菜買ってく?」
「海藻サラダ食べますから別に結構です。会計も済んだのですから早くお釣りを渡してくれませんか。」
「つれないなぁ、君って。でもまた来てよね!僕、君のこと待ってるから!」
(うぅ、僕の恋は前途多難だ。でも絶対諦めないから!)
(綺麗、だとか、よくもそのような恥ずかしいことを口にできますよね。それだけではなくて。いつもおまけで1個多く入れてくれる。君だけに特別だよと。そんな風にあなたはどこまでも僕に優しいから…だから本当に性質が悪いんですよ。)
END
あとがき
そういえばサイトを開設してから結構経ったけれど八百蘭ネタを書いていなかったと思いまして、短いですが会話文を書いてみました。時間が経つにつれて段々骸に馴れ馴れしくなる八百蘭が書けていればいいなと思います。ここの八百蘭はちゃんとした野菜を売ってます^^
初めて八百蘭を見た時、うわあああめちゃ可愛い!と思ったのが懐かしいです^^八百蘭は白蘭のうざ可愛い所がより前面に押し出されているんじゃないかなと個人的には思っています(^^)そしてまだまだこの2人は発展途上なので、これから距離を縮めて行く訳ですね^^最終的には骸のマンションに美味しい野菜を デリバリーして一方的に押し掛けちゃえばいいですよねvロッソビアンコ(イタリア産のなす)を持ってパスタでも作ってあげればいいです。料理男子はモテますからねv料理男子白蘭は個人的にツボです^^
お付き合い下さってありがとうございました!
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