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03


「なあ田辺、どうしちゃったの? 趣味変わったのか? お前マジじゃないよな?」

つき合っていると話した時、今までの俺を知っているからか、同僚の田中はうるさかった。
確かにそれまで周りにいた女達とはタイプが違う。
抱くだけの女に中身も何も求めちゃいねぇが、心にもない優しい言葉を囁いてやれば、出会って数分で簡単に足を開くような奴らばかりで、自分から誘ってくる場合も少なくなかった。深入りする気はないが、据え膳喰わねぇ必要もなかったし。

そんな尻軽も、田中にはいい女に見えていたらしい。だから愛姫とのことを知った時、うるせぇほどに不思議がっていた。

そんな奴らばかりを相手にしていたことが俺の日常で、それが当たり前だったのだ。

そして……




───そんな日常に現れた愛姫に、俺は必然のように惹かれていった───




あいにくにも俺は、田中がどう思うかなんてどうでもいいし、そんなことより何よりも愛姫の魅力に気づかない、世の男どもがどうかしてると呆れる。

コイツは世界一いい女なのだ。誰が何を言う権利もねぇはずだ。
愛姫が気にしている体型や、幼いという外見も素直な中身も、全部が可愛いのだ。俺の言動ひとつで青くなったり赤くなったりするその表情も。
───それをいちいち口にしたりはしないが。




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