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09


向かう車中、無理矢理連れ出したことで、いつまでも泣きながら行きたくないとグズっていたが、眠るように気を失ってしまったことが功を奏した。
風邪と寝不足からきたものだと診断され、点滴を受けただけで、しばらく安静にしていれば心配はないと言う。
入院の必要はないということで連れて帰ってはこれたが、病院で熱を計ると40℃を超えていた。
危惧していたものが現実となってしまったせいで、俺の中にある罪悪感はさらに増した。

時折水を欲しがる以外は目を覚まさず、起きることができたのは月曜の夜のことだ。
点滴のおかげで緩やかに熱は下がっていったが、寝ている間も苦しそうな息づかいのままで、いくら汗を拭っても着替えさせてもキリがないほどだった。

「……気分はどうだ?」
「え? ハル? あたし……?」
「熱でぶっ倒れてた」
「え? ……何!?」

愛姫の額に自分の額を当ててみると、やっぱりまだ常人よりはかなり熱かった。まだ寝とけと言うと、もう眠くないと首をふる。

「お風呂入りたい……」
「馬鹿か。熱下がってからにしろ」
「でもなんかベタベタするの」
「そりゃ二日も寝てりゃな」
「ふふ二日!?」

ガバッと起き上がり驚きの声を上げた。そりゃそうだろうが、いきなりそんなことしてるとたぶん、

「だからおとなしくしとけっつってんだよ」

布団に突っ伏してはあはあと息を切らしている。……アホすぎてむかつく。

「お風呂……」
「もう少し我慢しろ。また倒れるぞ」

言うことを聞けと念を押して布団に押し込むと、ぐうと腹の音がして、愛姫が赤面して頭まで潜り込んだ。

「ちょっと待ってろ」




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