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06


「あの……?」
「物足りねぇか」
「! そんなこと……!」

ぐりんと首をこっちに向けて、目を見開いて意地悪だと訴える。
否定の言葉とは裏腹の顔。あどけなさの中に浮かぶ似つかわしくない色気が、むかつくほどに、きた。──どこに? 解りきったこと聞くな。

「……やっぱ俺が持たねぇ」

腕を引いてもう一度座らせキスをして、首筋に吸いつき、鎖骨に舌を這わせて胸元に顔を埋めた。

「あ、んんっ、やっ」

羞恥と艶が混ざり合った声と、鼻から抜ける息が理性を奪っていく。
片手は洋服のボタンを外しながら、もう片方の親指と人差し指で顎をつまんで口づけた。舌を差し込み絡ませる。優しくしようとすればするほど乱暴になってしまい、上顎まで舐めつくした。耳に送られてくる水音と愛姫の声が、どこまでもいやらしく聞こえて、歯止めどころかタガが外れたような感覚に陥った。
服を脱がしながら太ももに手をかけると、弾んだ息とともに降ってくる声。

「あっ、あ、ハル……はっ、お、おふろ……!」
「後でいい」
「電気、や、やだ……あ、明るいの……や……! ん、は……る……」

力の抜けた体を俺に預けたまま、精一杯に首を振る。返事もせずに抱きかかえ、ベッドに連れて行き、照明を落とす。
これでいいかと声をかけると、うっすらシルエットが見える程度の灯りの中、影がこくりと頷いたのを確認してもう一度キスをした。
冷えていた愛姫の体は、二人分の肌の熱が溶け合って、いくつも残した痕が赤く浮かび上がる頃、元の体温以上に熱くなっていた。
短い間隔で響く小さな泣き声を聞きながら、とろとろになった愛姫の体内の、まどろむほどの感覚に身を任せて、抱きしめた。




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