06
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と、まぁ半ば強引に答えを出させた俺も悪いのだろうが……
あんな表現しかできなかったが……
好きだという気持ちを、苦労しながら言葉にしたんだ。簡単なことだと思っていた告白という行為が息をのむほどに緊張し、それを伝えるのが、いかに難しいかということも思い知らされた。
この俺が、だ。
それを悟られないようにと、平静を装うのに必死だった。
くどいようだがこの俺がだ。
あれだけ苦労したにも関わらずに、信用されてねぇのか。
「お前……俺が好きでもない女にあんなことを言うと思ってんの?」
「……だって……」
だいたいの予想はつくが。俺の噂ってのはすげぇらしいからな。
「不安なんだろ。遊ばれて捨てられるとでも思ったか?」
今までの行動を振り返れば、噂も噂では済まないのも仕方ない。
「田辺さん……他にもいっぱいいるって……」
少し前まではな。
「否定はしねぇよ」
その言葉を聞いた森下の瞳から、ボロボロと涙が溢れた。
「今まで女に不自由なんかしたこともねぇのによぉ……」
コイツが何を不安がっているのかを、分からないほど鈍くはないつもりだ。それでも…… 自分の今までの行いを正直に話さなくちゃいけない。これから先の二人の為に……
不自由なんかしたこともなく、性欲処理にすら困ったことも無かった俺が、
「お前が気になるようになって、他の女を抱けなくなった」
今じゃ何ヶ月も禁欲中だ。いつでもどこにいても、何をしてても、お前が俺の中に存在するようになって……
「抱けなくなった理由を考え始めた頃にはたぶん、もう好きになってた」
目で追うようになり、愛しさを感じるようになった。
それが今では、好きだというだけじゃ足りなくなった。
「森下……俺は……お前を、他の誰にも触れさせたくないんだ……」
傲慢な考えだと分かってはいても。それでも俺は……
───コイツを独占する権利が欲しかった───
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