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01


眠い、やる気でねぇ。
出社すればダルさも忘れるかと思ったが甘かった。朝日の眩しさが寝不足の目と頭に響いてキツイ。

「おーっす!」

頭を抱えている俺をよそに、田中が馬鹿でかい声とありえねぇテンションで挨拶をしている。

「よぉ田辺! 二日酔いか?」
「……でけぇ声出すな。寝てねぇんだよ」
「もしかして……昨夜は愛姫ちゃんと激しかったのか?」
「……砕くぞテメェ。頭出せ」
「部長がそんな理由で寝不足なんて、部下の皆さんもやる気出ませんよー!」

親切にも口に手を添え、室内に響き渡る大声で言う。

「話聞けよ」
「ああ愛姫ちゃん、寝かせてもらえないほど虐められてるなんて……」
「それ以上無駄口たたくと朝まで残業にすんぞ」
「滅相もございません!!」

都合のいい口を持った田中が、そそくさとデスクに座る。
馬鹿が滅びろ逝けよ。協力してやるから遠慮なく。

よほど機嫌が悪く見えるのか、社員達の視線を感じながらガサガサと、引き出しをあさる。確か鎮痛剤を入れていおいたはずだ。あー、そういえば、飲むとよけい眠くなんだっけか。まいった……
最善の策は、とっとと仕事を終わらせて、さっさと定時であがるのみ。
頼むから足を引っ張ってくれるなよ、社員ども。




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