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依存(蘭拓蘭)
蘭拓蘭
蘭丸視点















辛い、苦しい、もう嫌だ。
俺の隣で馬鹿みたいにそればっか繰り返し続けている神童は、やはり泣いていた。
煩いな、と思いながらも俺は神童の呟きに耳を傾ける。
辛い、苦しい、辛い、苦しい。
相変わらずそれ以外言葉を発しない神童に俺は苛ついた。
はいはい、お前が辛くて苦しいことはもう十分わかったよ。
だから何、何なの。
冷たく言い放つと、神童は目をぱちくりとさせて、分からないって言った。
俺はもうため息しか出なかった。
そんなに辛いなら、苦しいなら、死ねば?
って呆れたように吐き捨てると、神童は涙を更に溢して嫌々と頭を振った。
辛いけど、苦しいけど、死にたくない。
馬鹿みたいに震えた声で訴える神童はまるで子供だ。
こんな奴が雷門のキャプテンなんて、ホント笑える。


「なぁ、なんで死にたくないの?」


さっきの冷たい態度から一変し、子供に問いかけるような優しい声のトーンで神童に問いかける。
そしたら、霧野がいるから、だって。


「霧野がいるから、俺は生きたいって思うんだ。」


あっそう。
別に対して興味のない内容だったから、ちょっと照れたように微笑んて言った神童の言葉を軽く受け流した。
にしても、まさか神童がこんなにも俺に依存しているなんて思ってもいなかった。
なんか気持ち悪いなって笑うと、神童はきょとんとして俺を見た。
あぁ、お前のことだよ、お前。
と思わず出かけた言葉を慌てて飲み込んだ。
だってやっと泣き止んだ神童にまたぴーぴー泣かれるのも困るだろ?
煩いし、面倒臭いし、なによりこいつの泣き顔見てると吐き気がする。
そんなことを考えながらぼーっと神童を眺めていると、霧野?って心配そうに神童が俺を呼んだ。
そう言えば神童、さっき俺がいるから生きたいって言ってたっけ。
彼の呼び掛けに答える代わりに、神童って俺が死んだら死ぬの?、と思ったことをストレートに聞いた。
そしたら神童は分からないって言ったんだ。
え、分からないの?
なんだそれ、可笑しいだろ。
だってお前、確かに俺がいるから生きたいって思うって言ったじゃないか。
なのに、なんだよそれ。
矛盾してる。
俺がいるから生きたいなら、俺がいなきゃ生きたくないってことになるんじゃないのか?
なぁ神童、違うか?
なんとか言えよ。
なぁ、なあってば。


「俺は、神童がいるから生きてるのに。」


そうだ、俺は神童がいない世界なんかいらない。
そして神童も、俺のいない世界に存在してはいけないんだ。
俺がそう決めた、俺と神童はいつでも同じ世界にいなきゃいけないんだって!
だから神童が死んだら俺も死ぬ、俺が死んだら神童も死ぬ。
そうじゃなきゃ駄目なんだ、そうだろ、そうだよな神童!
醜い笑顔で神童を見上げると、彼はぎょっとした表情で俺を見下ろしていた。


本当に依存してたのは、どっち?








END

後書き
なんかイカれた感じの話を書きたかったんです。
が、だだの意味わからん話になっちゃいました;

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あきゅろす。
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