limit
10
そして走ること数分……といわず数十分。
(なーんでこの学園はこう無駄に広いのかなー?)
校門に行くだけなのにこれだけの労力と時間を消費しなければならないのは間違っている!
そんなことを考えながら切れた息を整えようと歩を緩めたとき、前方に見知った姿を見つけた。
(む!あれは……日向だなっ!)
確かに校門付近にいるのは彼で間違いない。
しかし何やら普通ではないことをしようとしているようだ。
周囲を頻(しき)りに見渡し、塀に足を掛け、よじ登ろうとしていて……
『Σって明らかに脱走じゃん!!』
あいつ何考えてんのっ!?、その行動の意味するものに気付いた瞬間、夕姫は棗のもとへ慌てて駆け出した。
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