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freeze



残り時間、あと10秒というところ。


半分ほどになった氷の柱から、不意にきらりと光るものが落ちてきた。




ポトリ




棗の手の中に収まったそれがこのゲームのクリアの証だということは確かめるまでもない。



『はい、見事クリアです!この先の扉から出口へ向かってくださいね』


うう…やっぱりなぁ…。


一人目クリア〜!と全体に聞こえるように言いながらにこりと笑う玲だが、しかし内心は相当しょげていたし、悔しかった。


(…だって炎と氷って相性最悪だもん)



せっかく頑張ってアリス使ったのに、と思っていると日向くんがその場を動いていないことに気が付いた。


『どうしたの?出ていいよ』


不思議に思い首を傾げた後、出口へと促すために棗の手をとると逆に手首を強く掴まれてしまう。



『え、…な…に…?』


「お前……」




いつになく真剣な日向くんの瞳に身動きをとることすら躊躇われる。





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あきゅろす。
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