freeze
8
こいつ、この短時間で……。
高くそびえ立つ玲のアリスを見上げ、棗は内心驚いていた。
アリスの質は全く悪くない上に制御も完璧。
もしかしたら、のばらよりも…。
玲と同じ氷のアリスを持つ女を思い浮かべ、棗は眉を寄せる。
以前、造形しか出来ないというのは嘘だと聞いた。
だとしたら相当な攻撃力をさえも持っていることだろう。
(こいつの能力がバレてしまえば、間違いなく学園に目を付けられてしまう)
それだけは阻止しなければ。
…しかしこれほどの能力を学園に隠し通せる保証など、どこにもない。
(ならば)
俺が守り抜いてみせるまでだ。
なにも知らない彼女の笑顔を守るために…――
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