freeze
9
こうして私たちは、職員室と水道に分かれた。
乃木くんに支えられながら水道で泥と血を洗い流す。
『ねえ、日向くんは…きっと蜜柑ちゃんのことが好きって思わない?』
「………………は?」
予想外の言葉に流架は口をポカンと開く。
その様子にくすくす笑いながら、
『だってあんなに仲いいんだもん。蜜柑ちゃんはどう思ってるのかわからないけど、…きっと両思いだねっ』
そう言った玲に少し考えて流架は首を振った。
「いや…どう考えてもそれはないと思う」
『ええ!?でも喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?』
そんな玲に流架は困った顔をする。
多分、棗が気になっているのは神崎のほうだろうな…。
しかしそんな流架の考えには気付かずに、
『二人ともまだ自分の気持ちに気付いていないんだよ。きっと二人っきりになった今、お互いに自覚しあうと思うな』
にっこりと笑いながら言った。
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