[携帯モード] [URL送信]

freeze



「うぅ…一瞬お花畑が見えたわ…」


そう呟く蜜柑の鼻血は止まる様子がない。


『……日向くんっ、蜜柑ちゃんを保健室に連れて行ってあげて』


「何で俺が」


『日向くんがボールぶつけたんでしょ?責任取るの!!』


「………」


『……もういい。怪我人の私たちだけで行くから』


蜜柑ちゃんを支えながら、よろよろと覚束ない足取りで歩き始める。



「………………チッ」


すると再び舌打ちして日向くんがしぶしぶやって来た。



(やっぱり好きな子はほうっておけないのね)


内心くすりと笑いながら素早く蜜柑ちゃんを預けると、私はさっと二人から離れる。


『じゃ、よろしくね〜』


「っ…!?お前は大丈夫なのか」


言われて見れば、結構血が出ていて泥で汚れていた。


早めに洗いに行くべきだろう。


『私は……乃木くん、良いかな…?』


「え?あ、ああ…」


一人だとさすがに足がふらついて危ないので、遠くで心配そうに見守っていた乃木くんに頼んだ。




【*前へ】【次へ#】

8/15ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!