freeze
8
「うぅ…一瞬お花畑が見えたわ…」
そう呟く蜜柑の鼻血は止まる様子がない。
『……日向くんっ、蜜柑ちゃんを保健室に連れて行ってあげて』
「何で俺が」
『日向くんがボールぶつけたんでしょ?責任取るの!!』
「………」
『……もういい。怪我人の私たちだけで行くから』
蜜柑ちゃんを支えながら、よろよろと覚束ない足取りで歩き始める。
「………………チッ」
すると再び舌打ちして日向くんがしぶしぶやって来た。
(やっぱり好きな子はほうっておけないのね)
内心くすりと笑いながら素早く蜜柑ちゃんを預けると、私はさっと二人から離れる。
『じゃ、よろしくね〜』
「っ…!?お前は大丈夫なのか」
言われて見れば、結構血が出ていて泥で汚れていた。
早めに洗いに行くべきだろう。
『私は……乃木くん、良いかな…?』
「え?あ、ああ…」
一人だとさすがに足がふらついて危ないので、遠くで心配そうに見守っていた乃木くんに頼んだ。
【*前へ】【次へ#】
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!