freeze
7
ブォッ!!
ひゃあっ…!
明らかに普通の球が出すはずもない風きり音をたてて、玲の顔面すれすれを飛んでいく。
『き……危険っ…』
早く当たって安全な外野に行きたいのだが、その危険球に自ら当たることすらできない。
いっそ辞退してしまおうかと考えた時。
ドゴオォンッ!!
「ブぐふぉっ!!!」
『蜜柑ちゃ…きゃあっ!!』
蜜柑が顔面に棗の投げた危険球をくらい、後ろへ飛ばされたあげく、玲と衝突してしまったのだ。
『蜜柑ちゃん大丈夫っ!!?』
だって明らかに危ない音だったしっ!!
玲も擦った足から血が出ていたが、構わず蜜柑に駆け寄る。
奇跡的に鼻の骨は折れていないらしく、鼻血程度ですんでいた。
『日向くんっ!女の子に酷いよっ!!』
いくら気を惹きたいからって、こんなことしても嫌われるだけだよ!?
そう言って睨むと、日向くんはチッと舌打ちをした。
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