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freeze



俺があの馬鹿と付き合ってる、だと…?


イライラとする棗に流架が追い付く。


「棗…そんなに気にするなよ。神崎も悪気は無かったと思うし」


「………」


凄く不機嫌だった棗は返事を返さなかった。







「そういえば…神崎も佐倉みたいに棗を怖がらないよな…」


それに俺のアリスに笑わなかったし。


動物たちに囲まれて幸せそうにする流架の言葉を、しかし棗は聞かなかったふりをする。


木の上で空を見上げていた棗は、あの日のことを思い出していた。




(俺は…どうしてあの時あいつを抱き締めたりしたんだ)


あの時、とは玲が自分の能力を打ち明けた日のこと。


泣いて崩れ落ちた玲があまりにも儚くて、壊れてしまいそうで。


気が付けば自らの腕で包み込んでいた。










「……まさか、な…」


そのうち一つの結論に達したが、あり得ないという風に棗は首を振って目を閉じた。

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あきゅろす。
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